Yahoo! JAPAN 政策企画

ネットを通じて選挙について知る、語る自由を

本日12月4日に衆議院総選挙が公示されました。
本日の公示から12月16日の投開票までの選挙期間中は、インターネット上で特定の候補者を当選させることや落選させることを目的とした書き込みをすることが禁止されます。多くの候補者も自身のブログの更新やツイッター、フェイスブックへの書き込みを止めざるを得なくなると予想されます。

選挙運動のルールを定めている公職選挙法では、選挙運動のために使用することができる文書図画の範囲をいわゆる選挙ポスターなどのごく限られた一部のものに制限しており、インターネット上のブログ、掲示板やSNS等は、選挙運動のために使用できる文書図画に含まれていないためです。
この「文書図画」という言葉は聞き慣れない単語ですが、公職選挙法では、ポスター、ビラ、葉書、書籍といった、印刷物のほか、パソコンのモニターに表示される文字、画像や動画も含まれていると解釈されています。
このことは、選挙の無効について争われた裁判における、平成17年12月22日付の東京高等裁判所の判決の中でも同様に解釈されています。

インターネットを使えば、候補者は費用をかけずに自らの主張を有権者に訴えることができ、一方で、有権者は欲しい情報を欲しいときに手に入れることができます。
そもそも選挙は、候補者その人のみならず、候補者を通じて、どのような政策が実現されるのかということを選ぶ行為であり、国民が政治に参加するための非常に重要な手段です。
生活のスタイルが多様化した今日において、有権者一人一人が、十分な情報を得て選挙に臨むためには、一人一人が自らの都合に合わせて情報を手に入れられるインターネットも利用できるようにすることが望ましいと考えています。

このような問題意識から、Yahoo! JAPANでは、2009年11月から約5ヶ月間、署名活動を行ないました。ご賛同いただいた方々の署名は72,262件にのぼり、総務大臣、民主党、自由民主党にそれぞれ提出をしました。
当時のページは、今も
http://event.yahoo.co.jp/election/index.html
からご覧いただけます。

また、今回、特に問題視しているのは、署名活動を行った当時に比べ、ツイッター、フェイスブックといったSNSの利用者が爆発的に増えている点です。
公職選挙法の規制は、候補者に限らず一般の有権者にも適用されますので、応援している候補者に有利な書き込みをすると公職選挙法違反として罰せられるおそれがあります。
このことを知らない方が公職選挙法に違反してしまうケースが出てきてしまうのではないかと危惧しています。

最近では、意図的に選挙期間中にインターネット上で選挙運動を行う候補者も出てきており、混沌とした状況になっています。選挙の公平を確保するためにも、曖昧な語句の解釈に委ねるのではなく、法律でルールを明確にすべきです。

公職選挙法の改正は、野田首相が解散の条件とした定数削減を議論する場と同じ、「政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会」という国会の委員会で議論されることになります。
インターネットを選挙運動に活用できるようにすることは、これまでずっと後回しにされてきましたが、すでに全主要政党の合意が得られており、衆議院総選挙に向けた各党のマニフェスト、選挙公約、アジェンダ等にも盛り込まれています。
今回の衆議院総選挙には残念ながら改正が間に合いませんでしたが、定数削減とセットで進め、次の大きな選挙までには改正されることを願っています。

次回以降、公職選挙法違反となる行為などについてご紹介します。