Yahoo! JAPAN 政策企画

ネットを通じて選挙について知る、語る自由を(その3の1)

今回も、公職選挙法違反となる行為などについてご紹介します。

1.文書図画の掲示
文書図画については、前回ご紹介した頒布(はんぷ)のほか、掲示についても一部の選挙ポスターなどを除いて制限されています(143条)。
これにより、個人演説会、街頭演説などで動画を流したり、パワーポイントなどを用いて政策の説明を行うことも違反となるおそれがあります。
今回の総選挙でも、ある候補者が自己の個人演説会で所属政党の幹部が支援を呼び掛けている映像を流したことがニュース(※)になっていました。

※2012衆院選:3区候補・白石洋一氏、演説会で首相の映像 公選法違反の可能性 /愛媛
毎日新聞 12月12日 地方版
「衆院選愛媛3区に立候補している民主党前職、白石洋一氏(49)が9日に四国中央市で開いた個人演説会で、野田佳彦首相が支援を呼び掛ける映像を流していたことが11日、分かった。公職選挙法は選挙運動で映写類の掲示を禁止しており、同法違反の可能性がある。」

2.人気投票の公表の禁止
インターネットを利用すれば、「どの候補者に投票しようとしているか、どの政党に投票しようとしているか」といった意識調査アンケートなどを簡単に実施することもできます。しかし、当選者を予想する人気投票を行って、その途中経過や結果を公表することはできないという規定があるため(138条の3)、インターネット上のコンテンツで、あまりそういったアンケートによる情勢調査結果のようなものを見かけることはないと思います。Yahoo! JAPANで政治に関するサービスを企画する際も、人気投票に該当することのないよう十分注意を払っています。たとえば、Yahoo! JAPANの「みんなの政治」というサービスでは、マニフェストマッチ(いくつかの質問に答えていくことで、自分に近い考え方を取っている政党がわかるサービス)の結果について、政党の支持数とみられないように注意をしながら客観的な事実のみを公開するようにしています。
この規制の趣旨は、人気投票は、その方法や動機が必ずしも公正であるとはいえないものが多く、選挙に反映させることの弊害が多いためと一般に説明されています(選挙制度研究会『実務と研修のためのわかりやすい公職選挙法』14次改訂版、226ページより)。
なお、テレビや新聞が行う有権者へのアンケートをもとにした当落予想や得票率の公表は、テレビ・新聞の記者の個別の取材結果をまとめたものにすぎず、人気投票には該当しないものと扱われているようです。

3.事前運動の禁止
選挙運動の期間についても規制があり、立候補の届出前に選挙運動をすることができません(129条)。
立候補の届出前の選挙運動は事前運動と呼ばれており、今回の総選挙でも公示日前に政党の幹部がTwitterや討論会で立候補予定者を応援してニュースになったことが複数ありました。また、不特定多数の方にむけての立候補表明も事前運動に該当するおそれがあるとされています。選挙期間前に、候補者の人が発言には十分に注意しているような場面をテレビなどでも見かけることがあると思いますが、これはそのためです。
事前運動が禁止されている趣旨は、いつでも選挙運動できるとすると無用な競争を招き、規制が困難となって不正行為などが発生したり、経費や労力がかかって経済力の差による不公平が生じてしまうおそれがあるためなどとされています(昭和44年4月23日最高裁判所判決)。

(つづく)