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一般用医薬品ネット販売に関する意見

一般用医薬品ネット販売について、今回は一般用医薬品ネット販売に関するYahoo! JAPANの意見を紹介いたします。

一般用医薬品は国民の健康の確保のために不可欠なものです。風邪をひいたり、頭痛や腹痛になったり、ちょっと怪我をしたりと必ずしも医師に診断、治療してもらうまでのことがなくても健康を損なうことは多くあります。そういったときの症状を緩和し、健康な生活に戻ることを助けるために、一般用医薬品は大きな役割を果たしており、人々の生活に必要不可欠なものです。そのため、より多くの人々に対して、一般用医薬品を適切に提供することができる状態を確保しておくことが大切です。
以前に、楽天株式会社と一緒に行った署名活動の際にも、以下のような意見が寄せられています。

・インターネットで医薬品が買えないと、とても困ります。私の母はもう年なので、薬局で重い医薬品は持ち帰れませんのでインターネットで購入します。だから、ネット販売で医薬品が買えなくなると、とても困りますし、逆に病気になってしまいます。ネット販売の薬局でも薬剤師はいますし、分からないことに対してきちんと答えてくれます。
・特殊な症状で苦しむ人は、インターネットで薬を買う事で症状を改善しているのです。誰の利益になる規制でしょうか?まったく理解出来ません。
・このような法律に決まってしまうと、自分みたいな薬を飲んで、療養している方々は、本当に大変になってしまうので反対です。
・仕事がら休日ですら買い物に行くことが難しい私を支えてくれているのが、ネット購入です。頭痛持ちの私には薬が買えなくなることは大変重大な問題です。是非このまま購入できる仕組みが残ることを切に願います!!
※ このほかにも多数の意見をいただいており、その一部は、今でも薬事法改正パブリックコメント専用ブログからご覧いただけます。

一般用医薬品を求める人がインターネットを通じて購入を申し込むことができるネット販売についてさまざまな意見がだされていますが、今の議論は「利便性」対「安全性」という対立軸で捉えられてしまっていますし、「目先の利便性は高まるが安全性は損なわれる」といったような意見も目にします。
しかし、一般用医薬品の性質を考慮しながら必要とする人に適切な提供をすることは、「利便性」の問題ではありませんし、利便性を理由にして一般用医薬品の性質を無視して安全性・健康を損なうことはできないというのが大前提だと考えています。

一般用医薬品は「効能・効果において人体に対する作用が著しくないものであって、医薬品の販売業者や薬剤師などから提供された情報に基づく需要者の選択によって使用されることが目的とされる」もので、一定の安全性が認められたものが承認されています。
また、化学物質である一般用医薬品は通信販売という販売手段によって、その科学的性質が変わってしまうようなことはありません。
一般用医薬品に関する情報を薬剤師から提供されることは有益ではありますが、薬事法も購入者が希望しない場合には薬剤師からの情報提供をしなくてもよいことを認めており(薬事法第36条の6第4項)、薬剤師からの情報の提供なく購入者の選択によって使用されてもよいとしていることから、薬事法は、前述の一般用医薬品の承認自体で安全性を担保していることがわかります。

情報提供が十分でないことが副作用発現につながるという主張もありますが、その主張には科学的な根拠があるとはいえません。2012年12月21日に発表された厚生労働省による調査結果でも現実の薬局の販売においても十分な説明がなされないままに販売されている実態があるとされている一方で、それを理由とした副作用の増加なども報告されていません。
2013年1月13日の日本経済新聞の社説でも
「消費者が薬効や服薬法について丁寧な説明を受けるのはありがたいことだ。とくに初めて試す薬は用法用量を熟知する必要がある。だがネット販売でも必要な注意事項は得られる。それで不安なら、買い手みずからが専門家の説明を求めればすむ話である。そもそも対面販売のほうが危険性が小さいという実証データはない。」
と述べられています。

副作用による重篤な有害事象が多く発生してしまうような薬害といわれるものを防ぐためには、副作用に関する情報を適切に収集し、当該有害事象が一般用医薬品に起因するものかどうかを速やかに分析していく体制を整えることが必要です。また、万一、重篤な有害事象が発生する可能性があるというようなことが見つかった場合には、直ちに公表して使用を抑制するという手段を持つことも重要です。これらの情報収集や現に服用している可能性ある人々への連絡は、購入者がわかっていて、電子メールのような連絡先をきちんと把握しているインターネット販売の特徴を活かすことができる大切な場面でもあります。
そして、医薬品に関する最新の情報をいつでも提供できるようにしておくとともに、国民の医薬品に関する正しい理解を高めて行くことも薬害を防いでいくためには不可欠であり、インターネットという通信手段はそのための有用な手段でもあります。

国民の健康を守るために真剣に安全性を検討するのであれば、科学的にアプローチをしていくことが大切であり、一般用医薬品を科学的根拠に基づいてコントロールすることこそが薬害を本当に防ぐことになると考えています。
省令ではなく法律の改正もという声が一部に上がっていますが、今後、どのような形で検討が行われるにしても、構築しようとする制度の目的は何であり、その目的を達成するためにはどのような手段を講じることが最も合理的なのかを検討していく必要があります。

私たちが目指すものは、国民の健康です。

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