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熟論1【3】最低限度の生活って

松原:【図10】ここで国民の健康で文化的な最低限の生活の水準とはそもそも何なのか、という議論に入りたいのですが、先ほどこのフリップをお見せしました。1人親世代。30歳のお父さんかお母さん、それから4歳と2歳の子どもが2人いると。東京都区部では、先ほどお話ししたように申しあげ、家賃が込みです。ここには医療費は入っていません。この19万2900円、地方だと15万7300円という水準がどうなのかという議論に入りたいのですが、この番組のはじめに長妻さんが8月に自民党がこれを大幅に切り下げるがそれで本当にいいのか、と問題提起されました。
片山さん、いまの政権がどのように切り下げようとしているのか、それからたとえば少し難しいかもしれませんが、この19万2900円をどのぐらいまで下げるのかというのが分かる範囲でよいので。

片山:私は率直に言ってこういう物価スライドとか、そういう意味での切り上げ切り下げの議論よりももっと根本的、そもそも母子加算方式に反対なのです。それはもう、ずっと民主党は母子加算を復活させて、われわれは母子加算を軽減させようとしたのですが。

松原:少し待ってください。

片山:そもそもその方式が違うのですよ。

松原:では長妻さん、8月に現政権が大幅に下げようとしているではないかと。こういうふうにおっしゃったので、その根拠を具体的にお話しいただけますか? 水準を。

長妻:根拠?

松原:どういうふうに下げようとしているか。

長妻:ひとつ自民党の考え方というのは、デフレになったと、つまり物価が安くなったので、生活保護のみなさんの実質的な支給額を下げても影響がないのではないかと、こういう話なのです。われわれも一定程度は合意するのですが、その計算方式、つまりデフレで580億円をカットしているわけですけれども、生活保護の費用ですね。その計算方式が平成20年と平成23年の物価を比べて、生活扶助相当CPI(消費者物価指数)というのを、物価ですね、これをつくって比べているのですが、これの品目がです、平成20年の品目が24品目をカットして比べられているので、これはおかしいと私も国会で質疑をいたしまして。適正にするならいいけれども、非常に私から見て不自然な形で比較をしていてですね、平成20年と23年、生活保護を受けている方は物価で見ると4.778%下がっていると。これ、一般の平均よりもかなり下がっているということで、これを根拠に580億円を削除しているので、私はきちんとした根拠でやはり示していかないと非常に説得力がなくなるのではないかと。

片山:この前決めて、これからなるものですね、分かりました。やっと理解しました。

松原:そうですね。要するに長妻さんがおっしゃったのは、いまの政権は消費者物価自体が落ちているのだからその分は生活保護費が落ちて当然だろうと。だけどその算定の仕方に少し無理があるのではないかと。不自然な算定の仕方だと。こういうことですね。

長妻:倍違うのです。

松原:倍違う、要するに全体のCPI(消費者物価指数)、消費者物価指数の下がり方と生活保護の世帯を対象とした品目でいくと倍下げていると、それがおかしいのではないかと、こういう?

長妻:で、品目も24品目除いたりしているので。

松原:要するに大きく下がるのを選んでいるのではないかと。

長妻:まあそういうことですね。そういう疑念があると。

松原:まあそうですよね。片山さんどうですか? 疑念があると。

片山:そのようなこまかい議論をしても国民のみなさんに分かるかどうか分からないですけれども、そのようなこまかい議論をしてね、では物価スライドの形でいったうえでね、これからわれわれが2%物価を上げようとしていますから、そうしたら上がりますよ。これは半年、1年くらいの話でわれわれの望む状態になったら上がるのです。それよりももっと問題なのは……。

松原:少し待ってください、それで、長妻さんが最初におっしゃったことは要するに物価に連動させようという時に、デフレであるけれども、一般の消費者物価の下がり方以上に対象の数字を設定したこと自体が不自然ではないかと、こういうことでした。片山さんは逆に、いまの政権はインフレ、2%のインフレに持っていくのだからそんなにこまかいことは解消されるのではないかと、こういうふうにおっしゃいました。それで少し前年比にプラスかマイナスかという問題以上に水準自体がそもそもどうなのかという。

片山:はい、その問題です。

松原:【図19】議論が必要だと思うので、少しこの数字を持ってきました。生活保護3人世帯ですね、これは最初のほうの例です。夫婦と4歳の子ども1人、17万2170円/月もらえると。これは都心部ですね。それが最低賃金で上限まで働くといくらもらえるかというと、月13万6000円しかもらえないという数字です。これは単純に法定の労働の上限の。

資料:生活保護と最低賃金

長妻:それは東京ですかね?

松原:東京です。時給850円ですからそれでこういう数字で、実際はこの13万6000円から所得税、社会保険料、さらに住宅費・医療費などの、あ、住宅費はいいですね、医療費などが自己負担になってここから差し引かれると。そうするとこの生活保護の水準というものが最低賃金でいくら働いても追いつかない水準というのでいいのだろうか、みたいなところをふまえて。

片山:いやそれはね、最低賃金を上げるようにしなければいけないのは分かっているのです。それで、日本の総理大臣としてはじめて、経済界に向かってとにかく給料上げてくれと言ったわけです、いい悪いは別として。それを民主党の3人の総理大臣は言わなかったのですから。実際に上げたところがあるわけですよ。はっきりいって都心では流通産業の方が最初に呼応してくれたので、正社員が上がったので、はっきりいってパートも上がって、最低賃金の上がり傾向にあるのです。だからわれわれはアベノミクスで最低賃金を上げるために必死にやりますが、それは企業にとってあまり評判のいい政策ではないけれど、でもそれはやりますよ。だって消費が増えなかったら経済が回復しないから。それと別に、先ほど私が言ったようにほかの国と相場の違うところでやりすぎてしまったのです。それはあくまでも生活保護にたくさんの人がセーフティネットとしてなだれ込まないだろうと、例外だろうと思って、つまり100万人いないだろう、1兆円ないだろうという。制度として、この制度は本音ベースであったのです。それが270万人になって、小学校のクラスだと1.5クラスに1人がだれか生活保護を受けていて、その辺で目につくようになってしまって、今日も先ほど、トラックの議員連盟の事務局長をしているので行ってきましたが、地方のトラック会社でギリギリのところで募集賃金をかけたら、要するに生活保護の方が高くてドライバーの人がみんなやめてしまい本当に困った地域があるのですよ。
先ほど申しあげたように、これもこの方式も問題なのですけれども、1人子どもが増えるごとに何万人か追加になるのですが、私たちの給料は1人子どもが生まれるたびにそれだけの家族手当はないのですよ。だから、それだけ考えても子どもが2人ぐらいいて保育が必要だと思ったら生活保護にいってしまったほうがいいと。それにさらに母子家庭加算をもらえるために離婚した方がいいというようになるような制度をつくってしまったのです。そこを変えたいのです。

松原:要するに変えたいというのは、具体的に水準はどうなるのかという深刻な話です。もう一度この表をここで出します。いいでしょうか。3人世帯だと東京都区部などで17万2170円、こういうことです。これがこの数字です。これが高いのか低いのかという話で先ほどは最低賃金と比べてみました。それで片山さんのいまのお話だと入った方が楽だ得だと、たとえばこのケースでいった時に、17万2170円が高い下げた方がいいと、こういうことですか?

片山:いや、そもそも今回自民党はそこまで踏み込んでいませんが。そもそも子どもが1人増えるごとに何万円増えるという形式でやり、そして母子家庭になったら増えるという形式でやればそれは絶対離婚した方が得という、すごく家庭に対してネガティブなメッセージにしかならないではないですか。

松原:いや、まずはそのグラフを見せて、黄色の。これ先ほど、少し見にくかったのですが、片山さんが持ってきた公的扶助制度の水準の比較です。

片山:はい。フランスやアメリカ、イギリスと。

松原:で、日本が6万4800円から8万3700円くらい。これ家賃除いた金額です。それがアメリカだと1万5000円くらい、イギリスでも3万円、一番多いのがスウェーデンでも4万4000円、それに対して日本は6万円から8万円を払っていると。ということはやはり片山さん、抽象的な話ではなくて、片山さんが言いたいのはこの17万2170円はやはり下げなければいけないのではないか、そのようなことなのではないのですか? 少しはっきりやりましょう。

片山:そこははっきり言ってなぜこの制度が長年、政府の中でもちょっとと思われたかというと、欧米のような、働いた方が損にならないという観点を盛り込まなかったのです。つまり、日本がずっと上り調子の高度成長の時に、まあいいじゃないかで、一般の働いている家庭の中で比較的つましいところと生活保護の方との格差を減らそう減らそうという格差縮小方式をつくってしまったのです。それが、一番日本が成長していた1965年、昭和40年から昭和58年、私が役所に入ったころ、それまでずっと、とにかく理由はなく格差を詰めよう詰めようでしてきたからそういう、この働いている通常の賃金に比べてここまで高い制度を日本は作ってしまって、そのあとはそれを切る勇気がだれもなくて何十年もやってきた。それが本当です。

松原:少し待ってくださいね。いまこの図で、要するに片山さんが少し極端な言い方かもしれませんけれど、片山さんが言ったことは、働くよりも生活保護をもらったほうが得な制度がおかしいということをもし言うのだとしたらこちら側の最低賃金の13万6000円の水準でいいのではないかと。それから少しこの例が少しまずかったのは、3人世帯ですけれど大人2人がいますから、大人2人が働けばまた違う数字になってきます。だけどこちらの例で言うと1人親世帯19万2900円、この親1人しか働けませんから、この数字と最低賃金の数字ですね。

片山:母子加算がついている話ですね。

松原:そのあたりをどうするかという時に、やはりここは抽象的な議論ではなくて、極端な話、17万円なのか13万円なのか、その17万円の水準自体を最初に長妻さんがおっしゃった、消費者物価指数が4%下がったのか2%下がったのかと、そういう水準の前年比の話ではなくてこの水準自体がどうなのだというところも議論しなければいけない。

長妻:少しよろしいですか。
これまずですね、私にも話させていただきたいのですが、最低賃金法という法律が改正になったのですね。そこでその最低生計費を考慮するにあたっては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護にかかわる施策との整合性に配慮すると、つまり生活保護よりも上げなさいと。基本的にはそういう法律に改正しているのです。いろいろですね、最低賃金というのは都道府県によって異なるのですが、いろいろなご努力で、いまは6都道府県だけが生活保護の方が高いのですよ。これはおそらく2人ですから少しあれですけれど、なにしろ6都道府県だけが生活保護の方が高くて最低賃金の方が低いと。この6都道府県が努力をすれば、これは逆転をして最低賃金の方が高くなるということで、これは努力しなければいけません。われわれの政権の時に一番ですね、最低賃金の伸びを一番高く上げさせていただいたのです、いろいろ産業界との調整もありましたけれどもそういうことが重要なのと、あともうひとつ少し注意深く議論しなければいけないのが先ほど片山さんのおっしゃった表は、私見たことありませんけれども、たとえばアメリカの生活扶助費が1万円みたいな話でしたっけ。

片山:フードスタンプですよね。1万6000円くらいです。邦貨換算で。

松原:1万5800円という数字が。

長妻:そうすると本当に日本と同じように生活保護ですね、本当に生きるために必要なお金を支給する時に、1万数千円だけで本当に生活できるのかどうかという疑問があるわけで、おそらく私はほかのいろいろなお金も出ていて、この一部を切り取ってほんとに1万いくらで1カ月ですね、大の大人がアメリカで生活できるのかと、生活保護と同じに比べていいのかという疑問もあるので、これは注意深くやらないといけないのです。

松原:そういうことですね。ただもう1つここで議論したいのはいま長妻さんがおっしゃったように最低賃金の時に生活保護をきちんと勘案しなさいという形になりました。1人がフルに働いて最低賃金で、それと1人がもらえる生活保護との関係なのですが、ただ生活保護の制度として見ると、これ先ほどお見せしたものです。傷病障がいとか、障がい者世帯ですね、それから母子世帯、高齢者世帯ということになると単純に1人の人が最低賃金でフルに働いたという比較では済まない話もでてくるわけで、そこで、では先ほどのことにもう一回戻るわけで、この水準がどうなのかと。ひとつの基準は最低賃金に置きましたけれど、でもやはり夫婦と子ども1人で17万円、親が1人で子ども2人だと19万円、この水準がどうなのかというのをやはり客観的に見なければいけなくて片山さん、もう一度この点についてどうでしょう?

片山:何度も申しあげますが、右の最低賃金およびその他年金などは状況によってはそこで税金を払っているし、最低賃金の方も社会保険料は全部払うし、NHKの受信料も払うし、公的な所得が低ければ公共料金は割引がある場合もありますし、年金や保険料なども少し割引になる人もいますが大体払いますよね、で、医療費自己負担もある場合がほとんどです。そうなるとあらゆるケースワーカーさんから、今日は、大阪と東京との両方を持ってきましたけれど、手取りベースでみんな考えているのです。手取りベースで考えるとこれは2、30万円の所得なのですよ。これが生活保護の場合は手取りなのです。ここから一切いらないのです。医療費もNHK受信料も公共料金もいらないのです。ですからこれ丸々使えるのです。それとこちらはぜんぶ保険料からなにからここから払わないといけないのですよ。場合によっては税金もかかるのです。ですから、手取り感はもっとすごく違うのです。倍くらい違うのです。そのことを言って、この間、さいたま市に行きましたら、さいたま市の市役所のところに生活保護のブースとハローワークのブースをはじめて横に置いたのです。それは仕事に行ってもらうために、横に。通路を1個隔てて横に置いて。そのことによってだいぶ就職率は上がったのです。これ新宿もそうしているのですが、たとえば、そうではなくて、歩いてあるいは地下鉄に乗ってあちらのハローワークに行くという時に、倍手取りが違うのに行くのかと。そういう話なのです。これ1万円や2万円の差じゃないのですよ。みんなリアルに計算して倍違うということをみんな言っているのです。だからもう同じコストをかけるならば現物給付にしてほしいと。医療費については自己負担を少しでも入れてほしいというのが現場の声です。それからこれ見てください、生活保護の医療券・調剤券、これを書くだけなのです。これを書くだけ。

松原:あの少し待ってくれますか。

片山:つまりこれ、これに鉛筆で書いて、実は生活保護をもらっている方の中でもほかの保険証を持っている人が25%もいるのですよ。ですからまったく何にもない人が焼け出された貧困ではないのです。単に私は所得が低くてここまでありませんから生活保護くださいと。医療のこの券もくださいと言ってもらいに来るのですが、それがこれだけで出てしまって、だから1人か2人全部の窓口に調剤の知識がある人を置けば、あちらでもこちらでも同じ薬をもらっているであるとか、後発新薬に変えていないということが分かって、それだけでも相当医療費が減るのですね。ですから、そういうことをひとつひとつ今回われわれは改革の中に入れていますが、いまの状態ではこのすごい実質手取りの格差を越えてまで働かせるのは大変だと現場が言っています。

松原:【図11】長妻さんにいく前に少し制度をもう一度確認です。生活保護費これは1人1人の保護費ではなくてトータルの金額なのですが、こちらにありますように純粋な生活保護費それから家賃、このあたりのところが先ほどから議論している夫婦2人子ども1人だと月々十何万円ですというのがここにいっているわけです。それに対してこの左側、ここの部分ですね、医療費が実は全体の約5割を占めていてここは片山さんがおっしゃった実際支給額とか最低賃金の比較以上に税金は払わない、それから医療費を払わないで済むというところでどうも実態以上に差があって、そうするとやはり片山さん、その水準自体を見直さなければいけないですよね、というようなお話だと思いました。それに対して、長妻さんどうぞ。

資料:平成23年度 生活保護扶助別支出額

長妻:これまずですね、この医療扶助についてわれわれも深刻に受け止めております。で、ジェネリックですね。ジェネリックをもっと使っていただくような促進策、これを強化しております。

片山:今回法案に入れたのですよ。

長妻:そうですね。先ほどおっしゃっていた医療機関。生活保護の方、その方は別に悪くないのですが、医療機関が生活保護は自己負担がないので通常の人よりも多くの治療をしてしまう、こういう医療機関もありますから、それについても今回法律に入っているのです。取り締まり。ただ注意しないといけないのが、先ほどから申しあげている通り、たとえば精神疾患で入院している方の医療費もすごく大きいわけですね。障がい者の率でいうと一般の方と比べると大体3倍近く高いわけですね、生活保護受給者の方。あるいは傷病者の率でいっても4倍くらいになっているわけで、4人に1人が生活保護から抜けられないのです。つまりお子さんで生活保護の家庭に生まれたお子さんが、大人になっても4人に1人が生活保護から抜けられない。たとえば中学卒業して、なかなかいい職に就けないわけですね。あるいは高校卒業して、本当は大学に行きたいけれどもなかなか高卒の方と大卒の方との失業率というのはかなり差があるわけであります。
ですからそういうようなことも考えていかないと、つまり繰り返しですけれども、生活保護を受けている方は、私も何人もの方にお話を聞きました。たとえば30代の若い方でたぶんはたから見ると非常にしっかりしていて、なんで働かないのだと。遊んでいるという風に見られるかもしれませんが、その方は軽度の知的障がいの方でやはり就職してもなかなか続けられない事情が出てくると。あるいは40代の方で、その方も普通に話していて元気な方なのですが、この方は発達障がいの方で、やはり職場に入っても人間関係がどうしても結べないと。あと女性の方でもはたから見るとそれは働ける感じなのですがパニック症候群の方で職がなかなか続かないとか、いろいろなご事情を持っておられて。私は、不正は、これは絶対いけないですよ。で、不正はわれわれも取り締まりますけれども、よく見ていかないとそれぞれの事情があるので、確かにわれわれが、ここにいる人がその金額で生活しろと言えば十分できるかもしれませんが、そうではない立場というのもですね、よくよくこれ、ミクロの視点もマクロの視点も重要です。否定はしませんけれども本当に生活保護を論じる方が、生活保護受給者の方の個別事情、私も生活保護受給者のご自宅にも行きましたけれども、そういう事情もやはり見たうえでマクロも議論していかなければならないのではないかと。

松原:端的にいって、たとえば水準自体を下げるとしたら一律に下げることになると思うのですね。その母子加算の。

片山:これ、私がそこまで言ってしまうのもなんですが、ずっと財政的に見てきて政府も政治もですね、あまり深く考えずに高度成長だからほかの国とは全然違うにもかかわらずですよ、低所得者の方の、普通に頑張って働いている低所得者と同じぐらい生活保護費をもらえるようにしようねという、石油の出る国のような制度を83年までやってしまって、そこで、オイルショックが2回きて間違えたと気がついて、そのあともバスケット方式か何かであまり切れなかったと。そこまできたらもう情けないかもしれませんけれど、これは既得権ですから、欧米の4万円まで切るのは、私は不可能と言います。それは無理ですよ。ですから、あえてみんな言うのは同じコストをかけても現物にすればみんなそれはガマンできますよと。たとえば北欧ではね、小奇麗なマンションかもしれないけれど、同じ公営住宅みたいなところに住んでいただいてそこは必ずきちんとした職業訓練を受けていなかったら見回れるようになっていたり、あるいはきちんとお金を出すけれどそれは生涯国への借金についていたり、そういった福祉国家があるのですよ、現実に。ですから、そういう制度の組み方があるので、生活保護者の生活水準をそんなに下げずに、もう少し義務付けをしてほしいと。そちらへもっていくのだと思います。

長妻:少しいいですか。気になるのですが、欧米が4万円とかですね、世界に比べて高いという話なのですが、それではその欧米は4万円で、アメリカは1万円ですけれども、それで本当に餓死寸前の方がそれで生活を1カ月できるのか? 本当にそれが正確な数字なのか。もし仮に欧米で4万円でできるとしたら、ほかの無料の公的サービスが充実しているから4万円でできるのか。

片山:長妻さんそれ、私は欧米で生活していた人としてね、全然違う……。

長妻:そしたら4万円、1万円でアメリカで生活できるかという議論は正確にしないといけない。

松原:そうですね、その通りです。最後にやはりこの生活保護の問題というのは、もう一度、最後は憲法に戻りたくて、健康で文化的な最低限度の生活を保障するというのが単に生活保護法だけの話ではなくて、いろいろな就労支援とかトータルの話になってくるので、それは最後にもう一度議論しましょう。でも、生活保護の水準に関してはやはり片山さんが少し高いのではないかと。で、片山さん自身が例に出したヨーロッパの4、5万円というのは無理でしょうけれど、と、このような話でした。

片山:いや、それはもう30年も放置したら国家として責任があるから急には下げられないです。

松原:そのことに対して、やはりその水準自体を大幅に見直すことに関しては、もっと違ういろいろな制度ややり方もあるのではないかというのが、長妻さんからお話がありました。

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