プライバシーコミッショナー会議@ポーランド
先日、ポーランド・ワルシャワで開催された第35回プライバシーコミッショナー会議(正式名称35th INTERNATIONAL CONFERENCE OF DATA PROTECTION AND PRIVACY COMMISSIONERS URL: https://privacyconference2013.org/)に参加してきました。
Yahoo! JAPAN政策企画では、メキシコシティで開催された第33回から毎回プライバシーコミッショナー会議(オープンセッション)に参加しており、今回で3回目となりました。(なお、前回の参加記はこちら。)
今年のテーマは、「PRIVACY: A COMPASS IN TURBULENT WORLD」でした。
全体の構成としては、全体セッションが4つ、同時に3つのパネルが開催される並行セッション(参加者は興味のあるパネルに参加するというスタイル)が4つというものでした。
概要は以下のとおりです。
第1日(9月25日(水))
全体セッションI Privacy as a cultural value
全体セッションII Reforms all over the world, Interoperability between the regions
並行セッションI Panel 1 - Mutual recognition between different data protection traditions
Panel 2 - Big data and data analytics for development purposes
Panel 3 - Privacy education in digital world
並行セッションII Panel 4 - Data protection and global trade law
Panel 5 - Developing tools for global compliance
Panel 6 - Public access to private sector data
第2日(9月26日(木))
並行セッションIII Panel 7 - The nexus for compliance and enforcement
Panel 8 - Privacy and cybersecurity
Panel 9 - Assessing privacy risks to individuals
並行セッションIV Panel 10 - Criminal and administrative enforcement of data protection
Panel 11 - Data use with context and compatible purpose
Panel 12 - Privacy: affinity or diversity?
全体セッションIII Privacy and technology
全体セッションIV Actors: perspectives, roles, interests
今年は、中央大学の宮下紘准教授が、全体セッションIの最初のスピーカーとして登壇しました。セッションのタイトルである「Privacy as a cultural value」のとおり、プライバシーに対する考え方が、多分に文化的な背景に基づくものであり、地域によって異なり得ることを示すものでした。
(宮下准教授の講演の様子)
ともするとプライバシーに関する日本国内の議論は、米国型を志向するのか欧州型を志向するのかというパターンの思考に陥り勝ちであるように見受けられますが、「プライバシー」というものを一概に捉えることが困難であることもあわせて考えれば、「日本の文化的な背景に調和する制度」とは何なのか、第三者機関が必要であるというのならばその在り方も含めて、ブレずに追求することが重要である(少なくとも文化的・歴史的背景を異にする欧州のプライバシーコミッショナーという制度をそのまま持ち込むことは適切とは言えない)ということを考えさせられる講演であったように思います。
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