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電気通信事故における事故報告基準の見直しについて

今回のテーマは、「電気通信事故における事故報告基準の見直し」についてです。

Yahoo! JAPANでは、「Yahoo!メール」、「Yahoo!メッセンジャー」などの電気通信サービスを提供しています。これらの電気通信サービスの提供にあたっては、「電気通信事業法」という法律に則って、電気通信事業者としての登録や届出を行った上、所管する総務省の監督を受けることになります。

今年4月に、総務省が「多様化・複雑化する電気通信事故の防止の在り方に関する検討会」を立ち上げ、システムの不具合により電話が繋がらない・電子メールが届かないといった、電気通信サービスにおける「事故」の防止方法について検討が進められましたが、その一環として「事故報告基準」の見直しが行われています。

電気通信事業法上、電気通信サービスの停止や品質の低下などの重大な「事故」が起きた場合、電気通信事業者は総務省に事故の内容や再発防止策を報告しなければならないのですが、今回の見直しは、そのような報告が必要な「事故」の基準を見直そうという取り組みになります。

現状の事故報告の基準は、電気通信事業法が制定された1984年当時の社会状況を念頭に置いたもので、提供するサービスの内容にかかわらず、一律に「2時間以上」かつ「3万人以上」に影響が出た場合とされています。しかし、インターネットをはじめとする通信技術の進展により、電気通信サービスと一口に言っても、電話などの音声サービスや、データ通信サービス、電子メールサービスなど内容も利用者もさまざまになっている現在、事故報告の基準も時代に合った形で見直すべきという意見を踏まえてこうした取り組みが行われることとなりました。

この検討会において、具体的にどういった内容で基準を見直すのかについて議論が進められてきましたが、先日意見公募手続にかけられた同検討会の報告書案では、
具体的な見直し基準として、電気通信サービスを以下の4つに区分して、事故報告基準も区分ごとに設定するものとしています。
(1) 音声サービス(緊急通報を扱うもの)
(2) 音声サービス(緊急通報を扱わないもの)
(3) データ通信サービス・専用サービス
(4) 無料のインターネット関連サービス
110番のような緊急通報と無料のインターネットサービスでは、事故発生時に世の中に及ぼす影響も違うため、サービスの性質で事故報告基準を分けよう、という発想に基づくものです。無料のインターネットサービスについては、従前に比べるとかなり緩和された基準が示されています。

なお、上記の報告書内では、日本国外に設備をおいている事業者(国外設備設置事業者)への対応方針についても触れられています。
実は、現状国外設備設置事業者は、日本国内の事業者と全く同じサービスを行っていても、上述のような電気通信事業法の規制、総務省の監督を受けない、ということになっています。日本国内でしっかり法律を守って事業をしている事業者と比べて、不平等だという声もあるのですが、今回はその点は「状況を注視する」ということにとどめられています。
わが国の市場に向けられたサービスであり、またわが国のお客様のためのサービスであるにもかかわらず、これが是正されなくてよいものでしょうか、という問いをもって今回の締めくくりとしたいと思います。

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