Yahoo! JAPAN 政策企画

通勤ラッシュも少しは緩和? 2040年の日本の人口1億人

大和総研が2013年5月に発表したレポート「超高齢日本の30年展望」によると、2040年の日本の人口は今よりも約14%少ない1億990万人になるという。

これを満員電車に例えると、現在本すら開けないほど混雑した状態が、なんとか小説や雑誌が読める程度に緩和することになる。今、かろうじて小説や雑誌が読めるような電車では、新聞が読めるような状況も期待できる。人気の観光地でも、これまでのような何時間待ちというような混雑や、行き帰りの交通渋滞も減るかもしれない。実際には、最近、総人口が減少する中で東京への集中が強まっているから話は単純でない。しかし、日本全体で考えれば混雑具合は緩和されるのは間違いない。

ただ、当然のことながら、人口の減少によって様々な問題が生じる。中でも問題なのは、働く意思と能力のある人の数である労働力人口の減少だ。レポートによると、2011年度に約6600万人だった労働力人口が2040年度には5400万人に減少すると見込まれる。女性や元気な高齢者の活用が今より進んでも、日本経済を支える人々が大きく減ることは避けられない。

一方、世界では、現在約71億人の人口が、2040年には90億人になる(国連推計)。その主な原動力はアフリカや中国以外のアジアにおける人口増加である。対照的に、現在世界最大の人口を誇る中国は2030年をピークに減少に転じるとみられる。中国は1979年からの一人っ子政策の影響で、これからは少子高齢化に苦しむ日本以上のスピードで高齢化が進む見通しだ。

2040年の日本の人口1億990万人という想定は、現在1.4程度の出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数)が1.55まで上昇することが前提となる。つまり、今よりも子育てがしやすい社会を目指さなければならないが、それでも人口は減るのだ。

少子高齢化によって労働力人口という「量」が減る以上は、労働力の「質」、すなわち個々人の仕事のパフォーマンスを向上させる必要がある。そのためには年齢、性別を問わず、やる気と能力に応じて多様な働き方が可能となる仕組みづくりが欠かせない。日本が労働力人口の減少にもかかわらず、活力を維持するモデルを確立できれば、中国はもちろん、少子高齢化に苦しむ世界中の国々の模範となることは間違いないだろう。


人口問題について詳しくは大和総研「超高齢日本の30年展望第1章.世界経済の構造変化と長期展望第2章.日本経済を見通す上での想定にて

執筆:ヤフー株式会社政策企画室
データ提供、編集協力:株式会社大和総研


今月より毎月1回、「どうなる、30年後のニッポン!」と題して、大和総研が発表したレポート「超高齢日本の30年展望」で報告されているデータを利用したコラムをお届け致します。どうぞ、お楽しみください。