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サラリーマンの給与はどうなる? 2020年代には毎年3%近い上昇も

安倍政権が経済界に給与アップを要請するなど、サラリーマンの給与がかつてないほど注目されている。

内閣府の「国民経済計算」 によると、2012年度の平均賃金は年間369万円。1997年度の439万円から16%も減少しており(年平均では1.1%の減少)、多くのサラリーマンの実感はデータでも裏付けられている。長期に続く賃金下落は、1990年代後半から2000年代にかけてのデフレ経済の原因でもあり、結果でもあるだろう。

では今後はどのようになるか。大和総研のレポート「超高齢日本の30年展望」によると、物価の変動分を含む名目賃金は、2010年代半ばに上昇に転じ、2020年代以降は年平均で3%弱の上昇率になるという。バブルに沸いた1980年代後半の賃金上昇率3.8% には及ばないものの、かなり高い伸びだ。
非正規労働者が増加している現状からすると、バブル期を連想させるような高い賃金上昇率が2020年代に本当に再び実現するのか、と思うかもしれない。

レポートでは、少子高齢化によって、労働力の担い手である現役世代が減少。これに伴い、労働需給が引き締まるという。つまり、企業側が人材を採用したいと考えても、対象となる若い世代は今よりも減っている。仮に今、安倍総理の給与アップ要請に企業側が応えなかったとしても、将来的にはより高い賃金を支払わざるを得ない状況となる見通しだ。

では、3%近い名目賃金上昇が実現すれば、私たちの暮らし向きはどのようになるだろうか。消費者物価は2020年代以降で年平均約1.5%の上昇率になるとレポートは見込んでいる。つまり、物価上昇分を差し引いた実質的な賃金の上昇率は、年平均1%台前半となる。実質賃金が年平均2%台前半で増えていたバブル期の半分程度の伸びではあるが、名目賃金が物価下落率以上に減少したここ15年間と比べれば生活にある程度余裕が生まれるだろう。

レポートによると、賃金の上昇と物価の上昇のバランスがとれた安定的な時代を迎えるためには、労働生産性の向上が必要だとしている。働き手一人ひとりの工夫や頑張りが欠かせないのだ。


賃金・物価について詳しくは大和総研「超高齢日本の30年展望第4章今後30年間の日本経済にて

執筆:ヤフー株式会社政策企画室
データ提供、編集協力:株式会社大和総研