児童ポルノ対策に関する国内外の動向(2)
ヤフーでは、児童ポルノの画像流通を防止する施策をより良いものとするために、また、日本での取り組み状況を伝えるために、関係省庁の協力を仰ぎながら、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、オランダ、イタリア、ロシア、オーストラリア、シンガポールといった国々を訪問してきました。
その結果、日本国内のサーバに保存されている画像は極めて限定的であり、オランダ、アメリカ、ロシアといった国のサーバに保存されていることが多いことがわかりましたし、諸外国も、保存場所としての日本を非難しているのではなく、日本人の少女が被写体となっている画像に対して問題意識をもっていることがわかりました。
このことから、今後は、製造の実態を把握しこれを「摘発」することに一層力を入れるとともに、海外のホスティングプロバイダに対して「削除」をより一層促していくよう、対策の比重を転換していく必要があります。
このうち、摘発は捜査機関の努力に委ねるしかありませんが、ヤフーでは、海外のサーバに保存されている児童ポルノ画像の削除を推進することを目的の一つとして、「一般社団法人セーファーインターネット協会」を設立しており、今後海外のホスティングプロバイダに対する民間レベルでの連携施策も推進していく予定です。
以前、わが国のブロッキングは、既にイギリスやスウェーデンで導入されていた取り組みを導入したものであるとご紹介しましたが、このように、海外で実施されている施策を参考に、効果的な対策を検討するにあたっては、他の機関が実施した調査結果を基にするのではなく、自らの目や耳で、詳細に実態を把握することが肝要です。
また、提案される施策の中には、メリットばかりが強調されデメリットや副作用については言及されないものがありますので、多角的な視点で物事をみていく必要があります。
ヤフーでは、今後も、各国の対策を参考にする必要に迫られた場合は、可能な限り自らの目と耳で吟味して、正確な事実を把握していきます。
また同時に、日本での対策が進展している事実を諸外国にしっかりと伝えていく所存です。
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