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熟論3【3】復興予算

古閑:続いて、復興予算の話題です。住宅問題以外でも、被災地域ではまだまだ多くの問題が残されています。このような課題を乗り越え復興を進めるために政府は復興予算を計上しています。その復興予算に関して、このような報道がありました。

予算 復興予算にかかわる報道から 復興予算1.3兆円「被災地と無関係」検査院が認定 http://www.asahi.com/articles/TKY201310310724.html 被災地復興予算、なぜ1.4兆円が無関係事業に流用? 一部は東電救済に充当の可能性も http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131218-00010003-bjoumal-bus_all 流用復興予算、718億円返還の見通しに http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130829-OYT1T00724.htm 復興予算執行23%未消化 検査院調べ 基金事業は7割 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131031/fnc13103121570018-n1.htm

想定どおり事業が進まず、執行の遅れが指摘されたり、復興と関係のないものに利用されているといったご指摘です。予算の内訳などを見てみますと、平成23年度予算が81.8%の執行率。これに対して平成24年度では、63.4%にとどまっています。

予算 平成23年度及び平成24年度 東日本大震災関係経費と執行率

こちらのフリップにもご注目ください。

予算 被災地復興は順調に進んでいると思うか

平成25年8月に、日本経済新聞が電子版読者に対して実施したアンケート結果を引用したものになります。予算が無駄と感じている回答が83%を占めてしまっています。アンケート結果から、残念ながら国民の多くは復興予算が無駄に使われている。その結果、復興が順調に進んでいないと感じているようです。復興予算の使われ方について、高木議員はいかがお考えですか。

高木:これはまず、復興予算、一般会計と一緒にしますとわからなくなるので、特別会計にすべきと私たち公明党は主張させていただきまして、そこで最初は混在しているところからのスタートでしたが、途中で整理され、特別会計というところで明確に数字が出たわけです。
平成24年の10月の会計検査院の報告で、そのような報告が出されましたので、その翌月すぐに、これは確か平野大臣の時でしたが、それまでの計上された全国向け予算につきましては、執行済みの支出を除く35事業・168億円、全部執行見合わせをさせました。今の政権になりましても25年度の予算の編成段階から被災地の復興・復旧に直接役に立つ事業以外はやらない。それはむしろ計上しないということを基本に、とにかく国民の皆さまに納得していただける使途の厳格化を進めています。現実、昨年の7月ですが、全国向けの基金を積んで行っている事業もあります。それも執行を見合わせるということで、国に返還することを要請しています。これは総額1,017億円ということになります。
今、こちらのフリップの「順調に進んでいると思うか」というところですが、先ほどの仮設住宅からいわゆる災害復興住宅に移る遅れというところにも関連しますが、やはりどうしてもこれを執行する時にさまざまな課題があるわけです。特に、用地の取得とか、またその時に、たとえばここに防潮堤を造らなければ市街地の復興もできない、災害復興住宅も作れないという時に、たとえばその所有者がわからない。じゃあ、その人のところをどうするか。そこがずっと今の法体系でいきますと、少なくとも1年、2年かかるところを、政府に要請しまして、迅速化の加速化プログラムということで復興庁も応じてくれて、これを土地収用法という法律を使い勝手よくして、これが一気に進むということをしたり。
また、用地取得の途中の時には、たとえばある市ではかさ上げをしたい、そしてかさ上げをするには、すべての所有者の了承を取らなければいけないが、そこのかさ上げに対して、やはり不明者や連絡が取れない人がいるわけです。そうすると、かさ上げをするのに、そこだけへこんでしまうかさ上げはありえませんから、そこをどうするか。今の制度ではなかなか難しくて、私たちは今、そこを議員で法律を作ろうと検討しながら進めているところです。 また、途中で遺産が発掘された。そのところはどうするか。その調査の迅速化とか、いろいろなそういう制度を、やはりそれは法律であり、また今まで決められた制度をどういうふうに使い勝手よく突破しながら一気に進めていくかという、その準備に相当時間かかりながら、また、現地の自治体からの要請を受けて、柔軟にそれに対して対応しながら、課題をクリアしているという状況です。
ですから、スピード感からいくと、予算の無駄遣いが目立つ、順調じゃないというお叱りは、そのとおり受け止めさせていただきまして、国民の皆さまに納得していただける使途の厳格化ということを取り組んでいきたいと思います。

古閑:ありがとうございます。今、高木議員のお話の中で、当時大臣、平野議員だったというお話もありましたが、こういうことが起きてしまった背景ですとか、課題はありますか。

平野:予算に関しましては、2つに分けて議論する必要があると思います。1つは被災地にきちんと使われていないのではないかという議論。それから今、高木先生もいろいろおっしゃいましたが、復興が順調に進んでいないという、この2つがあると思います。
まず1つ目につきましては、これは確かにそういうことはありました。その背景には、1つは法律の中で、被災地以外でも予算を使ってもいいという項目がありまして、今回の被災を契機に災害に強い国土づくりを目指さなければならないということで、緊急に防災事業をやるようなところ、それから学校の耐震化、これは被災地以外の耐震化ですね、それから流通の問題で、サプライチェーンが途切れましたので、そのサプライチェーンを強化するために予算を投入するという、そういったところで、被災地ではないところに使った面がありました。
ただ、それともう1つ問題だったのは、この法律で読めないところの予算も回っていたということ。クジラの捕鯨の対策とか、いかにも読めないものがありました。これは、当時、私も政権にいたのですが説明できない、私もよくチェックしていなかったし、役所がどさくさに紛れて予算を回してみたということがありまして、ここにやはり皆さん方の批判が集中しました。復興財源ということで増税までしておきながら、こんなところに予算を回すのはけしからんと。高木先生にも秋葉先生にも、そういう批判は国会等々で指摘受けております。
そういったことを踏まえまして、先ほど高木先生からありましたが、予算についてはきちんと、被災地に使うということで。それ以外のものについては場合によっては執行停止する、場合によっては返してもらうということで、今の政権もやっていると思います。
その一方で、予算はそれで足りなくなったかというと、そういう問題は一部あるかもしれませんが、基本的に復興予算というのはきちんと確保されていまして、むしろこれが順調に進んでいないというのは、先ほど高木先生に大体まとめていただきましたように、一番の問題は土地の問題等々があります。それから、人手不足の問題、資材の問題等々がありまして、こういったものを克服し、対応しながらやっているということです。
それからもう1つは、町づくりといっても、町全体をつくり変えるという本当の大事業になりますので、本来であれば、もっともっと時間をかけてやらなくてはならないような事業なのですが、仮設住宅で復興を待っている方がたくさんおられますので、とにかくもう1日も早くということで今進めているということは、ぜひご理解をいただきたいと思います。

古閑:わかりました。ありがとうございます。これまでの反省もいろいろあると思いますので、国民としては効果的な予算の使われ方がなされることを願っておりますが、とはいえ、地域によっても多分さまざまな課題があり、その実情に応じたきめ細かい対応も必要になってくると思います。そういう観点で、真の復興につなげていくためにという意味での予算の使われ方について、秋葉議員、何かコメントをお願いいたします。

秋葉:私は、やはり2つ重要だと思います。特に、自治体のそれぞれ市町村の組長さん方は、みんな10年計画でやっていますから、最後までしっかり予算的な措置があるのだろうかという不安がありましたので、私どもも3年半ぶりに政権に復帰した時には、5年間で19兆円という枠組みに6兆円を足して、25兆円というフレームをまず作ったわけです。だから十分ご安心くださいというメッセージを少なくとも発したつもりであります。
そして、間もなく3年目を迎えるわけですが、復興というのは時間軸の経過とともに、やらなければならない新しい課題が出てくるのです。私はよく洋服に例えるのですが、この震災の復興というのは、いわゆる既製服ですね。今あるルールでどう適用するかという発想ではなくて、洋服でいうところのオーダーメイドといいますか、一人ひとりの実態、一人ひとりの実情に合ったルールづくりを通して、この予算を効果的に使っていくことが大事だと思います。 ですから、いろいろな復興事業がありますけれども、全体的に見れば遅れているという回答になるのかもしれませんが、水道や道路や橋といったものがほぼ大体1年以内に復旧しました。また、がれきの処理も、この3月には岩手県と宮城県では完了するわけですが、私の地元の仙台市では、もう去年の夏に、98%も処理を終わらせていただきました。また、防潮堤の工事なども、国が直轄でやったところは1年で仕上げた箇所もたくさんあるわけで、事業によっては、かなり順調に進んでいるものもあります。
ただ、どうしても、住宅再建が、最も基本になりますから、これがやはりいろいろな手続きで遅れているというのは確かですので、そこを早めていく工夫というのも、これからさらに深掘りした取り組みをしていくことが大事になってくると思います。

高木:先ほどの執行率の話ですが、23年度は80%を超えていて、24年度は63.4%。そうすると、費用、お金を積む必要がないのではないかという議論になりがちですが、実は以前、中小企業のグループ保証金のお金を私たち要請しまして積みました。積んだのですが、応募件数が多くて結局10分の1の企業にしか渡せなかったのです。こういうこともありますし、どうしても福島の場合は少し遅れながら、岩手、宮城は津波ですからそこをどうするか、福島の場合はこれから帰れるのかどうするか、そうしながら町を作っているという状況もありますので、トータルで見ると、当然、県によってはそんな後先、どうしても生じてしまいます。そこで予算がぴたっと少なくなってしまいますと、今度は後から来るところが使えなくなってしまうので、そこはご理解をいただきたいと思います。

古閑:やはり長期的な視点で見ていかないといけないということですね。わかりました。平野議員は、何かございますか。

平野:執行率は、たとえば復興交付金ということで、被災自治体に、被災市町村に、直接いっているお金がありまして、これは多分実態としてはまだ4割とか5割くらいしか使われていないのではないかと思います。それは高木先生がおっしゃるように、ちゃんと実態を見ながらやればいいのではないかということもあるのですが、むしろ被災地域のほうではまず予算がきちんと確保されるかどうか、それから、計画がちゃんと認定されるかどうか、これでいいのだという確かな目に見えるものが、まず欲しいということがありまして、まず、計画づくりをしっかりやったところから復興交付金は順次公布していくということでやっています。 結果として今、執行率もそんなに高くないということになりますが、この予算は使われないということではなくて、基金という形で積んでありますから、これはいずれ住宅の建設あるいは市街地の再生、それからなりわいの復活というものがいずれ動き出しますので、その時にきちんと予算がいくと思いますので、そういった観点で見ていただきたいと思います。
いずれにせよ、ただ、執行率が低いということは決していい話でありませんから、土地の問題あるいは資材の高騰の問題、あるいは人的支援、こういったことついては引き続き国のほうで、いろんな形で支えていくことが必須だと思います。

古閑:なるほど、わかりました。ありがとうございます。秋葉議員、何かございますか。

秋葉:執行率が低調な数字になっていますが、それは人手不足の問題とか事務作業が追いつかないということが一番大きな原因になっていますので、予算がいらないということとイコールではないということを、ご覧いただいている方にご理解いただくことがポイントだと思います。

古閑:そうですね。やはり、大きな再生に向けて拙速にやるのではなくて、きちんと計画を立てて、それが認められて執行されていくという長期スパンで見ていかないといけないというところでしょうか。

秋葉:必要な予算措置は必ずしていきますから。

古閑:なるほど。わかりました。ありがとうございます。