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熟論4【4】保育における死亡事故防止のため国のすべきこと

別所:ちょっと保育の質の話に戻させていただいて、これを見ていただきたいのですが、認可保育所と認可外保育施設の死亡事故の報告数というのを調べてみました。

認可保育所と認可外保育施設の死亡事故の報告数の比較

利用児童数に対する亡くなった方の割合というのは、認可外保育施設が認可保育所に比べると36倍となっていて、こういうところの差を埋めていくとか、事故が起こらないようにしていくための努力というのが必要だと思っているのですが、こういう観点での質を上げていくためにはどういうことが不可欠だと思っていらっしゃいますか。高橋議員からお願いできますか。

高橋:この問題は私、何度も取り上げているのですが、やはり直接自らの赤ちゃんを失ったお母さんやお父さんたちが訴えて国も調査をするとか、そういう形でこうした数字も把握されるようになってきたということなのです。最初はベビーホテル、ベッドに子どもが2人も3人も重なって寝かせていて平気だという、いわゆる儲け本位のそういうところから事故が、1つの園、経営者だったのが、全国でそういう問題が起きた。そういうところからスタートしたのですが、ただ、その後、さっきの待機児童ゼロ作戦あたりから定員を増やして、その中で認可の中でも事故が起こるようになってきた。その理由は、子どもは増えたけれど人手が圧倒的に足りないということで、よくよく見ていくと、本当に防げたのではないかという事故もあります。

別所:そういう観点からも、保育士さんの数の確保とか、そのための待遇とか。

高橋:必要面積も、今は最低基準というのが、地方条例でお任せというか、一応のモデルはあるけれども、自治体で基準を下げてもいいことになっているので、そこをナショナルミニマムで統一すべきだと思っています。

別所:分かりました。今日の話とはちょっとずれるのですが、保育の質を考えた時に、先日ニュースになった、ベビーシッターの痛ましい事件がありましたが、あのような制度の外で起きてしまう事故というのも、待機児童をゼロにしていくプロセスの中では何とか解決していって欲しいと思うのですが、あのような問題の解決のために、具体的にもし何かお考えのものがあれば教えていただきたいと思うのですが、林議員いかがですか。

林 :私もこの仕事を始めた時に、子どもが1歳11カ月でした。私の実の母に近くに来てもらって手伝ってもらいながらだったのですが、その母が癌になって何度も入退院を繰り返している時期があり、その時に保育所は待機で入れなくて、私自身もベビーシッターさんを何度かお願いしたことがあります。子どもとの相性も当然あります。私の場合は幸い、知り合いに紹介してもらって、わりとしっかりしたところだったので事なきを得ましたけども、今回の事件を受けて、たぶん皆さんもだと思いますが、ネットでいろいろ見てみました。そうしたら、本当に顔も分からない、どういう人かも分からないという状況がいっぱいあり、でも、そこにすがらないといけない立場にいるお母さんたちがいるのも一方で事実です。 実は、新制度の議論を始めた時には、こういうことは想定していませんでした。ネットの世界は急激に成長しているので、今おっしゃったように、この新制度の枠の外にあることにどう対応していくのか。とりわけ所得の低い方たちは、リスクの高いところに流れてしまう可能性がどうしてもあります。そうしたら、考えられるのはそれを利用した場合、質の一定なところをちゃんと利用してもらった場合には、税額控除の対象にするとか、あるいは、税を払うところまで収入がない人もいらっしゃるので、そういうところには、一定のバウチャーを考えるとか、制度の枠の外にあるものについてもしっかりと対応していくべきだと思います。

別所:なるほど、ありがとうございます。丸川議員はいかがですか。

丸川:党内でも直ちに議論して、まず厚生労働省がすぐやったことというのは、インターネットサイトでベビーシッターさんを探す時は一度会いましょうとか、そういう基本的な事項をまず出せるところにはお願いして出してもらい、自分たちでも出したのですが、やはり現状を把握するということができない状況。届け出制でも許可制でもない。まず、現状が把握できるような状況を作るということから始めなければいけないのではないかというのが、私たちが最初に厚労省に投げかけたことで、今検討してもらっているところです。

林 :ちょっと捕捉すれば、この間のベビーシッターと言われていますけど、実態はベビーシッターではなく、いわゆる認可外保育所の1つの形態なわけですよ。今、丸川さんがおっしゃったように5人以下のところは届け出なくてもいいので、子どもを預かるところに関しては規模にかかわらず、やはり命なわけですから広く届け出制度にするというのは、しっかりと取り組まなくてはいけないと思います。

別所:ありがとうございます。今、作っている制度の外側でも問題が起きていますし、そこも含めて今後いろいろな対策を進めていって、安心してご両親がお子さんを預けられて、預けられたお子さんもそのお子さんのためになる保育を受けられるようなことを目指していただければと思います。ありがとうございました。