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なぜいま成長戦略か、就業者の生産性向上が鍵

政府が今月策定する成長戦略に市場が注目している。安倍政権では2013年6月の「日本再興戦略」に続いて2度目の戦略発表だ。この5年間だけみても、麻生政権、鳩山政権、菅政権、野田政権もそれぞれ成長戦略を発表している。このように、歴代政権が成長戦略を発表してきたことからも、政府は成長戦略を重視していることがわかる。そもそも日本ではなぜ成長戦略が必要とされるのだろうか。

大和総研のレポート「超高齢日本の30年展望」によると、少子高齢化により2011年度に約6600万人だった労働力人口は、2040年度には約5400万人に減少すると予測される。仮に就業者1人あたりの生産性にまったく変化がない場合、日本の経済規模は約2割も縮小することとなる。

経済の縮小を食い止めるために、少子化対策はもちろん重要である。ただ、仮にこれから出生率が飛躍的に高まったとしても、これから誕生する子供が労働力となるまでには、相当程度の時間を要する。当面は労働力人口が減少することは不可避だ。それゆえ、就業者1人あたりの生産性を高める必要がある。

労働生産性を高める一つの手段とされているのが成長戦略だ。「日本再興戦略」では電力システム改革、クリーンエネルギー実現といったエネルギー分野など一部の分野では一定の方針を打ち出した。一方で、市場からは、雇用の流動化、農業改革といった「岩盤規制」には踏み込み不足という評価も残った。

その後も、政府内では、農協改革や混合診療の拡大など「岩盤規制」に対する議論が続けられ、一部は今月の成長戦略に反映されるものとみられる。

もはや成長戦略は不要という議論も一部にはある。しかし、「経済成長があれば所得を再配分する余地が広がり、経済成長は日本が抱える多くの問題を解決できないまでも、大きく緩和したり解決への糸口を導いたりする」(超高齢日本の30年展望)ことは間違いない。今後も、この国にはさらなる成長戦略や規制改革が求められる。


労働力減少や成長戦略について、詳しくは大和総研「超高齢日本の30年展望第2章 日本経済を見通す上での想定第3章 成長戦略の視座と電力需給問題にて

執筆:ヤフー株式会社政策企画室
データ提供、編集協力:株式会社大和総研

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