Yahoo! JAPAN 政策企画

官邸主導や雇用改革を評価 新成長戦略をめぐり討論会「熟論 日本の課題」

Yahoo! JAPAN政策企画は、このほど、政策分析ネットワーク(代表:伊藤元重東京大学大学院教授)との共催で、竹中平蔵慶應義塾大学教授、伊藤教授、関口和一日本経済新聞社論説委員兼編集委員を招き、2014年6月に安倍政権が示した新成長戦略に関する討論会「熟論 日本の課題 新成長戦略の評価と今後」を開催しました。


政府の産業競争力会議の議員として新成長戦略の策定に携わった竹中教授は「戦略が発表される10日前までは、50点ぐらいだと思っていたが、大逆転して80点までもっていった」と政府の取り組みを評価しました。80点まで上昇した要因として、発表直前に官邸主導による「パン! とスパイクで打っている」(竹中教授)ような思い切った政治判断をしたプロセスや、有権者からの抵抗感も強い雇用分野における改革を打ち出した点を挙げました。

(竹中教授の発言は2分20秒から)


伊藤教授は、新成長戦略について、「大学でいえば『優』をあげる点数」と高く評価したうえで、「ボールは政府側ではなく民間側にある」と分析。法人税改革などは「あくまで環境設定に過ぎず、これから日本の企業がしっかり動いていくことが鍵だ」とし、民間の活力こそが、今後の経済成長を左右するとの見解を示しました。

(伊藤教授の「優」評価など各登壇者の採点は3分4秒から)


関口論説委員は、「歴代の政権が手を付けられなかった雇用・医療といった『岩盤規制』に具体的な方策をあてた点は評価してもいい」としました。一方で、関口論説委員は、規制緩和後の成長のエンジンとして、情報技術(IT)やグローバル戦略といった点が必要でありながら、「新成長戦略にはあまり書かれておらず、十分ではない」という課題を挙げました。

(関口論説委員の発言は7分14秒から)


討論会では聴衆からの質問も受け付けました。「岩盤規制の『岩盤』となっている人は誰か」という質問に対し、伊藤教授は「『岩盤』として抵抗している人は時代劇の『悪代官』をイメージするかもしれないが、イノベーションとはこれまで守ってきたことを壊すことだから、単純化はできない」と回答。竹中教授も「みなさんの心の中に『抵抗勢力』の部分があるし、私の心の部分にもあるかもしれない」と述べたうえで、「一般論としていう場合と、利害に直接かかわってくる部分で当然違う」と、状況によっては誰でもなりうる可能性を示唆しました。

(伊藤、竹中両教授の回答は4分57秒から)


討論会の詳細は、『熟論 日本の課題』第5回 新成長戦略のページをご覧ください。