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1人1人の覚悟が問われる時代に 必要不可欠な3つの改革

国・地方合わせて1000兆円もの債務が表すとおり、日本の財政状況は極めて厳しい。「日本の財政は大丈夫か」「将来重い負担を負わされるのではないか」という漠然とした不安は、多くの国民が多かれ少なかれ持っているのではないだろうか。

本コラム「どうなる、30年後のニッポン!」では、大和総研発表のレポート「超高齢日本の30年展望」をもとに、人口サラリーマンの給与家庭の電力料金など、様々な観点から日本の未来像を取り上げてきた。最終回である今回は、厳しい財政状況の中、どのようにすればこの国の展望が描けるのかを、レポートから探りたい。

レポートでは、社会保障給付の抑制、成長戦略の展開、消費税率の引上げという三つの改革が必要不可欠であると提言している。

社会保障給付の抑制については、具体策として、年金支給開始年齢の65歳までの引き上げを10年前倒しして2020年とし、さらに欧米とのバランスを鑑み69歳とすることを主張。また、70歳以上の医療費の自己負担割合を1割から2割に増やすことや、後発医薬品の使用割合を欧米並みに引き上げることなどを挙げている。これらを組み合わせることによって高齢者1人当たり給付を実質的に25%程度抑制することが可能になるという。

前回の本コラムで論じたとおり、成長戦略も今後の日本には重要だ。レポートでは法人実効税率を2020年度までに30%程度に、2025年度までに25%程度まで下げることを提言している。2014年6月発表の政府の新成長戦略では、税率20%台への引き下げを掲げており、レポートに沿った改革が始まっているように見える。だが、減税の財源をどのように確保するのかや、何年程度かけて最終的にどのあたりの税率水準を目指すのか明確ではないことから、今後の議論が注目される。

消費税率は、本コラムで以前述べたように、社会保障の給付抑制とのバランスをとりつつ決める必要がある。レポートによると、北欧型の高福祉高負担社会も米国型の低福祉低負担社会も日本社会にはなじまないことから、両者の中間を目指すことになる。その結果、最終的には25%程度が妥当な水準であるという。

いずれの提言も、国民の誰かに少なからず痛みを強いるものだといえる。だが、現在の高福祉低負担社会が持続可能ではないことは明らかである。私たち1人1人の覚悟が問われる時期に差し掛かりつつあるのではないだろうか。

提言について詳しくは、大和総研「超高齢日本の30年展望第8章社会保障改革と国民負担増の政策オプションにて

執筆:ヤフー株式会社政策企画室
データ提供、編集協力:株式会社大和総研

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