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平成27年度税制改正大綱と海外からの配信に対する消費課税

1月14日「平成27年度税制の大綱」が閣議決定されました。これにより、日本市場向けにサービス提供を行いながらも、かたや国外事業者であればユーザーに消費税をかけない価格でサービス提供できるのに対し、国内事業者は消費税をかけた価格でサービス提供しなければならないことによる価格競争上の不公平に関し、是正に向けて一歩踏み出すことになります。

大綱は、「BEPSプロジェクト等の国際的取組を踏まえ、国境を越えた取引等に係る課税の国際的調和に向けた税制上の措置を講ずる」としたうえで、消費課税について「国外事業者が国境を越えて行う電子書籍・音楽・広告の配信等の電子商取引を消費税の課税対象とする」、そして、この改正を10月1日から適用することを明記しています。その具体的な改正内容は、「内外判定基準の見直し」と「課税方式の見直し」です。
現在の税制には、国外からのサービス提供には消費税が課せられておらず、同じサービスを行っている国内事業者よりも消費税分安くサービス提供できるため、価格競争力の差が生じ、公正な競争環境にゆがみが生じているという問題があります(「海外からの配信にも消費税課税を(その1)」をご覧ください)。
「内外判定基準の見直し」により、国外からのサービス提供にも国内からの提供と同様に、消費税が課税されることになります。そして「課税方式の見直し」により、サービスの性質や契約条件などから明らかに「事業者向け」のサービスについてはサービス提供を受ける事業者が納税義務を課され(リバースチャージ方式)、それ以外は「消費者向け」としてサービスを提供する国外事業者が納税義務を課されます。
これらの見直しによって、ユーザーに提供するサービス価格の競争力に差が生じるという問題を解消しつつ、消費者に申告納税させる手間隙をかけてしまうことは現実的ではないという課題も解決することが期待されます。また、サービス提供を受ける相手が消費者ではなく事業者となる取引についてはリバースチャージ方式の納税となるため、サービス提供価格に消費税がのらず、引き続き見た目の価格に競争上の不公平が生じ得る(「海外からの配信にも消費税課税を(その2)」をご覧ください)という問題は残りますが、「事業者向け」サービスを提供する国外事業者に対し、提供を受ける事業者に納税義務がある旨の表示を義務付けられることで、一定程度解消されることが期待されます。
「事業者向け」に該当する判断基準や国外事業者に課す表示義務の細目についての検討は必要であるものの、大綱が示す「国境を超えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し」は、公平な制度を一刻も早く実現する妥当な解決策を示すものと評価できます。
本年10月1日からの適用を実現すべく、法改正を含む制度整備が迅速に進められることを期待します。