Yahoo! JAPAN 政策企画

「じゃがつま事件」と青少年のネット利用

皆さんは「じゃがつま事件」というものをご存じでしょうか。先月、東京の19歳の少年が、スーパーで万引きをしたりスナック菓子に異物(つまようじ)を混入している様子を自ら撮影し、大手動画投稿サイトにアップロードしたという事件です。

この事件で警察に身柄を確保されるまでの数日間、少年は警察を挑発する発言を繰り返しつつ逃亡し、その様子をアップロードし続けていました。報道によると、結局、万引きは自作自演であったとのことで、現在、少年は建造物侵入容疑や偽計業務妨害容疑で逮捕され、取り調べを受けている模様です。
この事件については、少年が逃亡を続けている間、大手動画投稿サイトにアップロードされた一連の動画をマスメディアが大々的に報道したことからさらなる注目を浴び、爆発的なアクセス数を弾き出しました。そのコメント欄には、少年の行動を批判する内容だけでなく、悪ふざけと思われるものの少年を賛美し、模倣をにおわす書込みも見受けられました。もっとも、この事件以前にも、世間の注目を集めようとコンビニエンスストアのアルバイトがアイスクリームのショーケースに入った姿をSNSに投稿したり、飲酒や喫煙をしている姿やイジメの様子をSNSや動画投稿サイトなどにアップロードする事件が散見されてきました。
青少年が周囲の注目を引こうとするあまり行き過ぎた行動を取ってしまうというのは、何もネット時代に限った話として特別視すべきものではありません。また、このような青少年の目立ちたいという欲求は必ずしも否定すべきものではなく、それほど悪質でないものに関してまで大きく問題視すべきではないかもしれません。しかし、インターネットが青少年の誰にとっても身近な存在となった現在、この種の動画や画像は、投稿した本人たちの予想をはるかに上回る影響をもたらすことがあります。例えば、本人たちはごく一部の仲間内に公開しているつもりであっても、ひとたびインターネット上で話題になってしまうと「まとめサイト」やSNSを通じて広く拡散し、名前や住所が特定され、さまざまな誹謗中傷を受けることになりかねません。このように、いわゆる「炎上」状態になって初めて自分の行動の軽率さを後悔し、また進学や就職への影響を恐れて、動画や画像を削除してほしいとの相談がインターネットトラブルの相談窓口に寄せられています。
以前にこのブログでご紹介しましたが、Yahoo! JAPANなどインターネット関連ビジネスを行う企業の有志で運営されている一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)では、危険ドラッグ、児童ポルノ、リベンジポルノ、いじめなど、インターネット上の違法情報や有害情報に関する通報を受け付け、サイト管理者やプロバイダに削除依頼を行う活動を行っています。

(参考)SIAが運営する違法・有害情報の通報受付フォーム(セーフライン)
 http://www.safe-line.jp/

そのため、こうした動画や投稿の削除について相談を受けることもあり、先日の「じゃがつま事件」についても取材を受け、先週2月18日のNHK首都圏ネットワークで放送されました。その取材の際にもお答えしましたが、インターネット上に投稿された動画などについて投稿サイトの管理者やプロバイダに削除を依頼し、実際に削除することが可能な場合もあります。しかし、一旦拡散した情報をすべて削除することは事実上不可能であり、情報が拡散し続け、投稿した本人に深刻な影響がおよぶこともあります。したがって、青少年にとって大事なのは、拡散した動画などを削除するという対症療法的な対策だけではなく、インターネット上に自らの動画や画像などを投稿することのリスクを正しく理解するとともに、スマートフォンなどの情報通信機器、またSNSやメッセージアプリなどの各種サービスをうまく使いこなすことです。
特に、最近では青少年の間でもスマートフォンやSNSの利用が一般的となり、気軽に動画を撮影したり投稿できます。このため、SIAでは、「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」が提供する保護者向け教材をベースとして、どのように子どもたちにインターネットを使いこなす力をつけさせていくべきなのか、スマートフォンデビューさせる際にはどんな点に注意すべきなのかについて、保護者、青少年に向けた啓発活動を併せて行っています。

▼保護者向け教材
「保護者のためのインターネットセーフティガイド」-子どもネット研
 http://www.child-safenet.jp/material/index.html

今後も、新たなインターネットサービスやデバイスが次々に登場するなか、青少年のインターネット利用における新たな問題が生じるおそれも十分にあります。青少年がそれぞれの発達段階に応じて、インターネットを適切に利用できるよう、今後もYahoo! JAPANとしてサポートをしていきます。