Yahoo! JAPAN 政策企画

熟論7【1】はじめに、経済成長への道筋の確認

別所:こんにちは、ヤフーの別所です。政府は経済成長を最も重要な政策課題として掲げ、安倍首相は景気回復の道しかないとして、「アベノミクスの前進に全力を尽くす」と話しています。そこで本日は、経済成長への道筋をどのように考えたらよいのか、経済成長のための課題は何なのか、課題解決のためにどのような選択肢が考えられるのかについて議論していきたいと思います。
それでは、本日のパネリストをご紹介いたします。まず、内閣府副大臣として経済再生・経済財政政策などを担当していらっしゃいます西村康稔副大臣です。

西村:よろしくお願いします。

別所:元財務副大臣で、現在は参議院財政金融委員会筆頭理事を務めていらっしゃいます、参議院議員の大久保勉議員です。

大久保:よろしくお願いします。

別所:経済財政諮問会議「選択する未来」委員会成長・発展ワーキンググループ委員や、経済財政諮問会議政策コメンテーターなどを務めております、大和総研の主席研究員の鈴木準さんです。

鈴木:よろしくお願いいたします。

別所:では、ここから議論を始めたいと思います。まず経済成長を検討するにあたって、前提となる経済成長のための道筋について、一般的にはどのように考えられているのでしょうか。鈴木さん、ご解説をお願いいたします。

鈴木:はい。まず議論のきっかけということで、経済成長について普通はどういうふうに考えるかということを申し上げたいと思います。
まず、80年代までと90年代以降で違うと思うのですね。80年代までですと、景気が悪くなると例えば金融政策で金利を下げる、あるいは財政政策、公共事業で雇用を作る、こういうことをやりまして、消費や投資が持ち上がる。一方、90年代以降になりますと、グローバル化経済いたしましたので、世界経済の波に非常に影響されるということで、普通は輸出から立ち上がって、それで生産が増えて雇用などが増えてくる、こういう構造変化がございました。加えて90年代以降は非常に低成長になりましたので、成長戦略ということが非常に重視されるようになったわけですね。
そこでアベノミクスでございますが、ここで整理をします。

大和総研作成

3つ矢でアベノミクスというのが構成されています。そういう意味では、今までの金融政策・財政政策・成長戦略の組み合わせということで、賛成・反対いろいろございますが、これはひとつの体系的なパッケージです。
第1の矢、金融政策ですが、これによりまして例えば為替、行き過ぎた円高を是正をする。これによりまして輸出が増えることを期待する。しかし今のところ、期待どおりにいったかどうかは微妙なところです。それから、これによって企業収益が上がって株価が上がり、資産効果で消費が少し良くなると、こういったことが期待されているわけですね。
第2の矢、これは機動的な財政政策ということですが、復興が少し遅れているとか、あるいは建設業界で人手不足になってしまっているとか、うまくいっていない部分もあります。それから消費税増税を先送りして消費を支える。こんなともやっているわけですね。
この第1の矢と第2の矢は、まとめて申し上げると短期的な政策、需要側の政策と整理をされるものでありまして、この需要側の政策、短期的な政策をやっている間に、供給側、長期的な政策をどういうふうにやるのか、これが第3の矢。これが成長戦略ということになってくると思います。
成長戦略に関しましては、安倍政権におきまして、例えば法人実効税率の引き下げを決められました。いま34.62%ですが、これを徐々に下げていって、今回は結構前倒しで、30%を切るところまで持っていくということを決められているわけですね。
それから岩盤規制の改革。これは医療ですとか、農業ですとか、こういった潜在力のあるところを改革して生産性を上げよう、あるいは労働市場の改革をして、労働を移動しやすくして生産性を上げていこう、こういった改革があるわけです。今のところ、第1の矢、第2の矢をやっている間に、第3の矢がうまくいくかどうか。ここ、非常に見極めが難しい、正念場を迎えています。
加えてデフレ脱却というのが安倍政権の一丁目一番地の課題ですので、デフレ脱却するために、例えば政労使会議をやって賃金を上げたい。そういった政策を打っている、こういう全体の道筋で今、事が進んでいるということです。

別所:ありがとうございます。