Yahoo! JAPAN 政策企画

経済成長への道筋を探る「熟論 日本の課題」

Yahoo! JAPAN政策企画は、西村康稔内閣府副大臣、大久保勉参議院財政金融委員会筆頭理事、鈴木準大和総研主席研究員を招き、最も重要な政策課題とされている経済成長に関する討論会「熟論 日本の課題 経済政策~経済成長への道筋~」を大和総研の協力のもと開催しました。

ダイジェスト映像(2分25秒)

アベノミクスの現在の実績として、西村副大臣は、道半ばであるもののデフレ脱却の道筋がようやく見え始め、雇用環境もよくなり、企業収益も上がっており、全体として非常にいい感じになってきていると評価しました。
これに対し、大久保議員は、アベノミクスは実は「クロダノミクス」であり日銀の金融緩和に尽きるが、金融緩和によって急激な円安、資産インフレを起こし、株や不動産の資産をもたない中小企業、家計を厳しくする副作用が目立ってきていると述べました。
鈴木主席研究員は、マーケットは非常に大きく期待を持っているものの、実体経済という面では賃金・物価、設備投資はまだだという認識を示しました。

企業の設備投資等が進まない状況について、西村副大臣は、デフレのときは物の値段が下がり、裏反すと通貨の価値が上がり、企業は投資するよりもお金で持っているほうが得と考えるため、金融緩和を中心に緩やかなインフレを起こし、現金で持っているよりも投資をしたほうがいいという環境をつくっていくと述べました。
大久保議員は、海外のように株主が強ければ、投資をするかそうでなければ株のバイバックをしろといったことができ、ガバナンス改革が極めて重要であると主張しました。

賃金について、大久保議員は、社会主義ではないのに政労使で議論し、国が上げろと言って本当に民間企業が上げるのか、うまくいかない可能性が高いのではないかという疑問を呈しました。
これに対し、西村副大臣は、15年来のデフレから脱却するために、政府が介入するのは異例であるが、成長戦略もコミットしながら賃上げのお願いをして、全体としてそういう環境をつくっていっていると主張しました。

また、西村副大臣は、長期的・中長期的に着実に賃金を上げていくには生産性を上げることが必要であるところ、日本は生産性の伸びがどんどん落ちており、その要因のひとつはITを活用する資本装備率が非常に低いことにあるため、IT投資を進め、ITを生かして世界に売っていくということも発想の中に入れてほしいと述べました。
大久保議員は、ネットの世界では国内と海外との差がなく、政府が日本企業を応援しないと海外に流れてしまう可能性があり、リーダーシップを持って日本のIT産業を支えていくことが必要であり「西村副大臣、ぜひこのことはよろしくお願いします」と伝え、西村副大臣は「がんばってやります」と応えました。

西村副大臣は、不本意ながら非正規のままでいるという人は四半期ごとに見ると減ってきており、多様な環境が生まれることによってイノベーションは起こるため、基本は働く人が多い社会をつくっていくということが大事だという認識を示しました。さらに、成長との関係で大事な点として、頑張れば報われる社会、失敗しても再チャレンジができる社会にするためにセーフティーネットなどの仕組みをつくり、貧困を固定化させないということに注力していきたいと述べました。
大久保議員は、貧困を解決できない場合、そこに国の役割があり、所得税の累進税率を強化していくなどにより再分配機能を強化し、そのお金を教育や子育てに使っていくということが、長期的に日本の経済成長、潜在成長力を高めていくということだと信じていると述べました。

最後に、西村副大臣は、時代が大きく変わり、過去日本が高度成長し成功してきたような枠組みが崩れており、政府の役割としては、新しい時代に対応するように仕組み・制度を変えていくということだと述べ、大久保議員も大きく時代が変わりつつあり、政策をつくるプロセスが制度疲労を起こしているので、霞が関、永田町がいかに競争力をつくっていくのか、国際化していくのかが非常に重要だという見解を示しました。

討論会の様子
討論会の様子

熟論第7回「経済政策〜経済成長への道筋」の本編はこちらからご覧いただけます。

カテゴリー「成長戦略」の記事