Yahoo! JAPAN 政策企画

APEC TEL 52@オークランド

10月19日から10月23日、ニュージーランドのオークランドで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の第52回Telecommunications and Information Working Group(電気通信・情報作業部会。APEC TEL 52)の諸会合に参加しました。

オークランドはニュージーランド北島に位置する同国第1の都市で、日本からは成田空港から直行便で10時間ほどです。「City of Sails(シティ・オブ・セイルズ)」とも呼ばれている通り、港にはヨットやボートを含め多くの船が停泊しています。移民が多いという特色もあり、歩いていると人種や文化の多様性が感じられる街です。

■APEC TELの概要

APEC TELは、APEC域内における

・新たな成長へ向けたICT(Information and Communication Technology)開発
・ICT利活用を通じた社会経済活動の向上
・安全・安心なICT環境の推進
・地域経済統合の推進
・ICT分野における協力の強化

についてAPEC域内のICT政策の担当者や関係事業者が議論を行う場です。具体的な議論はTEL(電気通信・情報作業部会)の下に設けられた、LSG(自由化分科会)、DSG(開発分科会)、SPSG(セキュリティ繁栄分科会)でなされることになっています。主な参加者は参加各国・地域の政府関係者ですが、民間企業も参加可能であり、政府とビジネス双方が入り混じって、活発な議論がなされる場となっています。

今回、Yahoo! JAPANは、全体会合、DSG、SPSGのいくつかのセッションに参加しました。

■全体会合

本会合は、新任のTEL議長・副議長による初めての会合となりました。議長はロシアから、副議長は台湾から選出されています。

会合では、各国のフレームワークと現状の取り組みの報告とそれに対する質疑応答がなされました。また、次回のTEL53については、日程は調整中であるものの、ペルーのタクナで開催されること、次々回のTEL54 については日本で開催される予定であることが確認されました。

■DSG(開発分科会)

まず、日本からは、DSGの活動として進めている、「APEC電子政府研究センター」、「特別なニーズを持つ人々のためのICTアプリケーション(シルバーICT)」の活動報告と今後1年間の取組予定について説明がなされ、承認されました。

また、ペルーからは、新規取り組みとして同国開催のTEL53において、「障がい者等におけるICTの活用促進」を目的とするワークショップ開催を提案し、米国、日本、ロシア(開催協力を表明)の支持を得て、承認されました。昨今、参加国・地域においては、障がい者におけるICT利活用の促進に対する関心が高いものとなっているようです。
その他、参加国・地域の多くはインターネットエコノミーの枠組みで新しい取り組みをしたいと考えており、ワーキンググループの新設を検討してはどうかという提案も出されるなど、活発な議論がなされていました。

■SPSG(セキュリティ繁栄分科会)

SPSGでは、「サイバーセキュリティフレームワーク」に関するワークショップが開催されました。米国、マレーシア、フィリピン、台湾、ニュージーランドより、サイバーセキュリティフレームワーク、民間部門との協力、サイバーセキュリティに係る周知啓発活動などの取り組みについて報告が行われ、各国・地域の参加者との質疑応答がなされました。

また、フィリピンからは、前回のTEL51(ボラカイ)のワークショップで検討された Emergency Preparedness に関して、サイバー攻撃等だけでなく、事前の対策も含めた、地震・台風等の自然災害に対するセキュリティについて、経済協力開発機構(OECD)等の関係する組織とも連携し、協力して取り組むべきという提案がなされました。この点に関しては、今後のSPSGにおいて検討していく課題の一つとして、各国・地域間で情報共有、協力を行っていくこと等が話し合われました。

■会議の雰囲気

国際会議というと、国や地域の利害関係が複雑に絡み合い、会議の場における交渉は常に難航を極めるという印象を持たれている方も多いかもしれません。しかし、すべての国際会議がそうであるわけではなく、APEC TEL52の会議は、どれも始終和やかな雰囲気のもとに行われました。
会議の合間のコーヒーブレイクやディナーの場では、国・地域や政府関係者か民間企業かを問わず、参加者同士が会議の議題に限られない自由な会話を楽しんでいます。TELの参加者の中には、こうした非公式の場でのコミュニケーションが参加の1番の目的だと語る方もいらっしゃるほどです。円滑な協力関係を確立するためには、そういった参加者同士の人間的なつながりを構築していくことも大切なことの1つであるように思われます。


Yahoo! JAPANは、今後もAPEC TELに限らず、インターネットに関わる国際会議に積極的に参加し、他国や他地域での活動や問題について情報収集を行い、また、当社からも他国・他地域に対し情報提供を行い、より良いインターネット環境の提供に協力していきたいと考えています。