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内閣府主催シンポジウムで児童ポルノの排除に向けたSIAの取り組みを発表

11月27日、内閣府主催のもと児童ポルノ排除対策公開シンポジウムが開催されました。このシンポジウムには、児童ポルノの排除に取り組む政府の関係省庁、児童の心身の治療や被害の予防に取り組む関連団体、国際的な児童の人権問題に実務や研究で携わる関係者など、多くの参加者が参加しました。
Yahoo! JAPANも会員として参加する一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)は、パネルディスカッションにパネリストとして参加し、インターネット上の児童ポルノやリベンジポルノの画像の削除に向けた取り組みと実績を紹介しました。

今回のシンポジウムでは、主催者である内閣府の安田貴彦大臣官房審議官から開会の挨拶があった後、大谷美紀子弁護士より「国際人権課題としての児童ポルノ~国際社会の取組み~」と題して、基調講演がありました。
大谷弁護士は、日本弁護士連合会国際人権問題委員会の委員長を務められ、子ども・女性・外国人の権利の保護や人権教育などに取り組んでいらっしゃいます。
この基調講演のなかで、大谷弁護士からは、児童ポルノに関する国際人権法の発展やG8司法内務閣僚宣言(2007年)、「オンライン上の子どもの保護に関するグローバル・サミット」(2015年)に触れながら、改めて、児童ポルノは、そのポルノ性に着目するのではなく、重大な児童の人権侵害であり、いかに児童を保護し、被害を防止し、被害を受けた児童を救済することが重要であるかが強調されました。

(児童ポルノに関する国際条約等の変遷)
1989年 子どもの権利条約
     (児童ポルノを含む性的搾取・性的虐待からの子どもの保護を規定)
1999年 国際労働機関(ILO)最悪の形態の児童労働条約
    (児童ポルノを最悪の形態の児童労働として禁止)
2000年 子ども売買・子ども買春及び児童ポルノに関する選択議定書
    (国際法上の犯罪として締約国に処罰を義務付け)
2001年 欧州評議会サイバー犯罪条約
    (インターネット上の児童ポルノをサイバー犯罪として処罰を義務付け)
2007年 欧州評議会性的搾取・性的虐待児童保護条約
    (児童ポルノを犯罪として処罰を義務付け)
    児童ポルノとの国際的闘いの強化に関するG8司法・内務閣僚宣言
2015年 オンライン上の子どもの保護に関するグローバル・サミット

その後、大谷弁護士をコーディネーターとして、パネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションには、警察庁生活安全局少年課、メディアジャーナリストや医療関係者としてこの問題に取り組まれる方々、そしてSIAがパネリストとして参加しました。SIAからは、先日公表した統計レポートに基づき、インターネット上の児童ポルノやリベンジポルノの削除に向けてどのような取り組みを進めているか、また、SIAから送付している削除要請がどの程度削除に結び付いているかなどを説明しました。

これまでSIAが取り組んできた児童ポルノに対する削除要請(1,238件)のうち多く(約87%)が海外サイトに掲載されていたにもかかわらず、約95%と高い削除率を実現していることに驚かれる方が多かったようです。リベンジポルノについても、国外サイトの比率が約79%と高いものの、74%の削除率を実現しています。これらの点について、多くの質問が出ました。
児童ポルノに関する取り組みについては、昨年12月に児童ポルノ禁止法が改正され、単純所持規制が導入されました。また、これに先立ち、一般社団法人インターネットコンテンツセーフティ協会(ICSA)が設立され、民間の自主的な取り組みとしてインターネット上の児童ポルノに対してブロッキングが導入されたほか、関係各社が自社サービスにおける児童ポルノ排除に向けて利用規約や運用体制を整備するなかで、対策は実効性を伴って効果を上げてきているといえます。
この点については、今年10月に日本を訪問した国連特別報告者のブーア=ブキッキオ氏が調査後に行った会見や暫定的にとりまとめて公表した調査結果に関する文書のなかでも評価されています。
ブキッキオ特別報告者が公表した上記文書の“Positive steps adopted by Japan”というパートにおいて、こうした民間主導の取り組みは、「重要な役割を担っている」と肯定的に評価され、SIAもICSAも直接名前が挙がっています。

End of mission statement of the United Nations Special Rapporteur on the sale of children, child prostitution and child pornography, Maud de Boer-Buquicchio, on her visit to Japan

“I would also like to stress the important cooperation between the public and the private sector in combating the sexual exploitation of children online. Thanks to the cooperation between the Government, Police and many ICT companies, various tools exist to detect, block or remove online child abuse material. In this regard, I would like to stress the important role played by Internet Content Safety Association, Safer Internet Association and the Internet Hotline Centre.

児童ポルノの排除に向けて、表現の自由とのバランスを慎重に考慮しながらも、児童の人権の保護を実現するため、今後も官民が協力して取り組んでいく必要があります。同時に、国際社会に対して日本の取り組みをしっかりと発信していく必要があります。まだまだ、この点は官民ともに不足しているといえるのではないでしょうか。
Yahoo! JAPANは、児童ポルノの排除に向けて、自社の対策と他の企業と協力したSIAやICSAの取り組みを進めるとともに、国際社会に向けた発信にもいっそう重きを置いて取り組んでいきたいと考えています。