Yahoo! JAPAN 政策企画

世界情報社会サミット(WSIS)フォーラム2016に出席(前編)

2016年5月2日から6日にかけて、スイス・ジュネーブの国際電気通信連合(ITU)本部およびジュネーブ国際会議センター(CICG)において、世界情報社会サミット(World Summit on the Information Society : WSIS)フォーラム2016が開催されました。今回、Yahoo! JAPANはこのフォーラムに参加してきましたので、ご紹介します(パネリストとして参加したワークショップ以外の各種会合等にも参加してきましたが、その様子については、後日後編の中でご紹介します)。


(ジュネーブ国際会議センター(CICG))

1. 世界情報社会サミット(WSIS)とは?
WSISとは、情報通信技術(ICTs)の発達がもたらすさまざまな利益を世界中の全ての人々が享受できるよう、情報社会に関する課題を特定し、その解決のための具体的な施策等を検討する枠組みです。

2001年の国連総会決議以降、これまで3 回にわたりWSIS会合が開催されました。すなわち、2003年のスイス・ジュネーブでの会合(WSIS I)では、「原則宣言(Declaration of Principles)」および「行動計画(Plan of Action)」が採択されました。2005年のチュニジア・チュニスでの会合(WSIS II)では、「チュニス・コミットメント(Tunis Commitment)」および「情報社会のためのチュニス・アジェンダ(Tunis Agenda for the Information Society)」が採択されました。昨年2015年に米国・ニューヨークで開催された国連総会ハイレベル会合では、過去2回にわたり開催されたWSIS会合の成果の実施に関する進捗状況が検討され、最終的に「成果文書(Outcome Document)」が採択されました。



(国連ジュネーブ事務所)

2. WSISフォーラムとは?
WSISフォーラムとは、上記2005年の「チュニス・アジェンダ」に基づき、情報通信基盤の整備やキャパシティ・ビルディング、ICTsの利用における信頼とセキュリティの醸成を含む11のWSISアクション・ラインの実施に関する進捗状況を議論するため、毎年1回開催されてきた国際会議です。国際電気通信連合(ITU)、国連教育科学文化機関(UNESCO)、国連貿易開発会議(UNCTAD)、国連開発計画(UNDP)が共催し、他の多くの国連機関と連携しているもので、世界各国の政府や国際機関関係者のみならず、民間セクターやアカデミア、市民社会の人々が一堂に会し、WSISアクション・ラインの実施に関し議論してきました。

このWSISフォーラムは、昨年2015年の上記「成果文書」の中でも、全ての利害関係者がWSIS成果の実施に関するベスト・プラクティスを議論し共有するプラット・フォームとして継続されるべきことが確認されましたが、とりわけこの「成果文書」は、同じく2015年に採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」と緊密に連携していくことを求めています。そのため、その後初めて開催された今回のWSISフォーラムでは、ICTsがSDGsの実施において果たす役割に特に焦点を当て、さまざまな会合やセッション、ワークショップが開催されました。今回、Yahoo! JAPANは、こうしたさまざまな会合やセッション、ワークショップのみならず、合わせて開催されたネットワーキング・イベントにも参加してきました。

WSISフォーラム2016・アジェンダ:https://www.itu.int/net4/wsis/forum/2016/Agenda/



(国際電気通信連合(ITU))

3. ワークショップ「WSIS+10 and Beyond: Where do we Stand in Africa ? What are the Main Challenging Issues and Proposals for Implementation?」にパネリストとして参加
Yahoo! JAPANは、5月2日に開催されたワークショップ「WSIS+10 and Beyond: Where do we Stand in Africa? What are the Main Challenging Issues and Proposals for Implementation?」にパネリストとして参加しました。

このワークショップは、アフリカにおける包摂的な情報社会を推進するために設立された情報社会に関するアフリカ市民社会(ACSIS)が主催し、アフリカにおけるWSIS成果やSDGsの実施に向けた主要な課題、そしてそれを解決するための提案が取り扱われました。当日は、ITUのHoulin Zhao事務総局長、Tahani Abdalla Attia科学通信大臣(スーダン)、Moustapha Mamy Diaby郵便電気通信デジタル経済大臣(ギニア)、Sheriff Bojang情報通信基盤大臣(ガンビア)、インターネット資源の管理を行う国際的な非営利法人であるICANNのVice-President for Government EngagementであるAnne-Rachel Inne氏、市民社会(Centre d'Etudes de la Synergie Inter-. Réseaux (CESIR))のPresidentであるJean-Louis Fullsack氏等が同じくパネリストとして参加しました。会場は超満員で、アフリカ諸国のハイレベルの方々も多数出席しているようでした。


(ワークショップの様子(1) *ITU Pictures(Flickr)から引用(©ITU/I.Wood))


(ワークショップの様子(2) *ITU Pictures(Flickr)から引用(©ITU/I.Wood))

Yahoo! JAPANは、このワークショップにおいてステートメントを行い、誰もが参加できるグローバルで共通な環境こそがインターネットの本質的価値であり、情報の自由な流通とさまざまな利害関係者による関与(マルチステークホルダー・アプローチ)が重要であることを主張しました。また、Yahoo! JAPANが日本のインターネット企業の有志によって運営されている一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)を通じて行っている、インターネット上の違法・有害情報への対策についても紹介し、アフリカ諸国にとっても参考となり得ることを述べました.

ワークショップにおけるYahoo! JAPANのステートメント(English)


(一番奥が当社のパネリスト *ITU Pictures(Flickr)から引用(©ITU/I.Wood))

Yahoo! JAPANがステートメントを開始した時には、既にワークショップの終了時刻を過ぎていたため、一部を省略して早口で読み上げざるを得ませんでしたが、ステートメント終了後には出席者から拍手をいただき、またワークショップ終了後にも個別に良いコメントをいただくこともできました。

なお、4月29日から30日にかけて、香川県高松市においてG7情報通信大臣会合が開催され、成果文書である「憲章」と「共同宣言」が採択されました。このG7情報通信大臣会合については、上記ワークショップの中でITUのZhao事務総局長が言及してくださいましたが、Yahoo! JAPANのステートメントは、「憲章」および「共同宣言」の中で示されているG7のメッセージに沿ったものでもあります。G7香川・高松情報通信大臣会合の開催結果については、総務省の報道資料をご覧下さい。

(KM)

(※Yahoo! JAPANが参加したその他の会合やセッション、ワークショップやネットワーキング・イベントの様子を含む後編については、後日掲載します。)