Yahoo! JAPAN 政策企画

不適切な二重価格表示をシステムで防止!

「通常10,000円のところ、いまだけ5,000円!」
小売事業者の方々にとっては、このような表示が法律上許されるのかは重要な問題です。比較的大きな事業者では表示をチェックする担当の部署を設置しているところもあるのではないでしょうか。

価格表示は、消費者が商品を選択するうえで非常に重要な情報です。
「通常10,000円」と表示しながら実際にはその価格で販売実績がないなど、事実と異なる表示が行われると、消費者の商品の選択を誤らせるとともに、市場における公正な競争が阻害されるおそれがあります。
そのため、いわゆる景品表示法では、実際のものよりも著しく有利であると誤認される表示を不当表示として規制し、冒頭のようなケースも二重価格表示として一定の規制が設けられています。
しかし、この二重価格表示に関する景品表示法の規定や消費者庁の解説は、多くの小売り事業者が必ずしも容易に理解ができるものとはいえず、その対応も中小の事業者にとって大きな負担となっています。

たとえば、消費者庁の「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」では、以下のような解説がされています。

(ウ) 「最近相当期間にわたって販売されていた価格」か否かの判断基準
比較対照価格が「最近相当期間にわたって販売されていた価格」に当たるか否かは、当該価格で販売されていた時期及び期間、対象となっている商品の一般的価格変動の状況、当該店舗における販売形態等を考慮しつつ、個々の事案ごとに検討されることとなるが、一般的には、二重価格表示を行う最近時(最近時については、セール開始時点からさかのぼる8週間について検討されるものとするが、当該商品が販売されていた期間が8週間未満の場合には、当該期間について検討されるものとする。)において、当該価格で販売されていた期間が当該商品が販売されていた期間の過半を占めているときには、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とみてよいものと考えられる。ただし、前記の要件を満たす場合であっても、当該価格で販売されていた期間が通算して2週間未満の場合、又は当該価格で販売された最後の日から2週間以上経過している場合においては、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とはいえないものと考えられる。

Yahoo!ショッピングには数十万のストアが出店していますが、規模の小さなストアも多く、このような解説を全てのストアに正しく理解して継続的に実行していただくのは現実的には困難ですし、2億以上出品され、日々価格が変動する商品のページをYahoo! JAPANにおいて過去の価格と販売実績も逐一参照しながら目で見て確認することも非常に大変です。

そこで、Yahoo!ショッピングでは、このような課題を解決するために過去の販売実績、商品価格等のデータを活用し、価格表示の仕方を自動的に判定する独自のシステムを開発し、不適切な二重価格表示を機械的に排除する仕組みを導入しました。このような仕組みの導入によって、小規模なストアであっても、複雑な二重価格規制を確実に守ったかたちで値付けができるようになりました。



ルールの適用を受ける事業者が目的や内容をきちんと理解し対応することは言うまでもなく大切なことですが、その対応を全事業者が目視や人力で行っていくことは、社会全体でみると大きな負担になるのも事実です。

技術の発展によって、機械的にこうした対応を行うことも可能になってきました。
ルールに違反することのないようなシステムを構築にすることによって、無自覚な状態でルールに違反してしまうことを防ぐことができるだけでなく、より生産性の高い業務に人材を投入したり、お休みの日を増やすなど、働き方改革を実現することも期待できるかしれません。

なお、機械的に対応できる可能性が広がってきたとしたとしても、多くの方に広く適用されるルール自体は、シンプルかつ明快なものとするべきです。この観点において、二重価格のルールについては、引き続き検討していく余地があるものと思われます。

(R.H)