Yahoo! JAPAN 政策企画

世界情報社会サミット(WSIS)フォーラム2017に出席(前編)

2017年6月12日から16日にかけて、スイス・ジュネーブの国際電気通信連合(ITU)本部およびジュネーブ国際会議センター(CICG)において、世界情報社会サミット(World Summit on the Information Society : WSIS)フォーラム2017が開催されました。今回、Yahoo! JAPANはこのフォーラムに参加してきましたので、ご紹介します。

1. 世界情報社会サミット(WSIS)フォーラムとは?
WSISとは、情報通信技術(ICTs)の発達がもたらすさまざまな利益を世界中の全ての人々が享受できるよう、情報社会に関する課題を特定し、その解決のための具体的な施策等を検討する枠組みです。

WSISフォーラムとは、2005年の「情報社会のためのチュニス・アジェンダ(Tunis Agenda for the Information Society)」に基づき、情報通信基盤の整備やキャパシティー・ビルディング、ICTsの利用における信頼とセキュリティーの醸成を含む11のWSISアクション・ラインの実施に関する進捗(しんちょく)状況を議論するため、毎年1回開催されている国際会議です。詳細につきましては、こちらをご覧ください。

Yahoo! JAPANは、インターネットガバナンスに関する国際的な議論に継続的に参加しており、筆者自身も担当としてさまざまな政策検討の場に参加しております。今回のフォーラムでも、いくつかのセッションやワークショップに参加してきました。

WSISフォーラム2017・アジェンダ:https://www.itu.int/net4/wsis/forum/2017/Agenda/#agenda

2017年の世界情報社会サミット(ウィシス)フォーラムが開催された国際電気通信連合(アイティーユー)本部の建物の写真

(国際電気通信連合(ITU)本部)

2. ワークショップ「Promote the Development of Internet & Mobile Internet Information Accessibility」にパネリストとして参加
Yahoo! JAPANは、6月16日に開催されたワークショップ「Promote the Development of Internet & Mobile Internet Information Accessibility」にパネリストとして参加しました。

このワークショップは、中国におけるインターネットの発展やより先進的な情報社会を構築するために活動している中国インターネット協会(ISC)が主催したもので、オンラインやモバイルベースで情報にアクセスしやすくなるような環境整備の進捗(しんちょく)状況について議論し、また参加者間で意見交換を行うことを目的として開催されました。当日は、ITUのHoulin Zhao事務総局長、国連教育科学文化機関(UNESCO)のIndrajit Banerjee知識社会部長、中国障がい者連盟(China Disabled Persons’ Federation)のShiming Lv副議長をはじめ、DotAsia OrganizationのJennifer Chung氏、China Information Accessibility Public Service PlatformのChang Huang氏、Shenzhen Accessibility Research AssociationのZhenyu Liang氏が同じくパネリストとして参加しました。そしてそれぞれの立場から、情報アクセシビリティに関する現状認識や強化に向けた取組みについてプレゼンテーションが行われました。

ワークショップの様子をとらえた写真。パネリスト8名が一列に並んで座っている。ヤフージャパンのパネリストは,向かって右から6番目に座っている

(ワークショップの様子 *ITU Pictures(Flickr)から引用(©ITU/D.Woldu)

筆者はこのワークショップにおいてプレゼンテーションを行い、Yahoo! JAPANが日本最大級の利用規模を有し、100を超えるサービスを展開するマルチビッグデータカンパニーとして、ウェブアクセシビリティにも取り組んでいることを紹介しました。より具体的には、ウェブアクセシビリティ方針の策定や日本工業規格「JIS X 8341-3:2016」への対応、今後の目標や課題について説明しました。最後に、2016年4月に施行された「障害者差別解消法」にも簡単に触れました。

Yahoo! JAPANのウェブアクセシビリティへの取組みについては、こちらもご覧ください。

ワークショップでヤフージャパンがプレゼンテーションを行っている写真

(筆者のプレゼンテーションの様子)

他のパネリストのプレゼンテーションも非常に興味深いものでした。いくつか例を挙げれば、UNESCOのIndrajit Banerjee部長からは、多くの国において障がい者施策について省庁間の連携が行われていない一方、政府、民間セクター、そして市民社会のそれぞれの利害関係者が協働しなければ効果はほとんどないといった旨の発言がありました。DotAsia OrganizationのJennifer Chung氏からは、若者のインターネットガバナンスへの関与を促す「NetMission Ambassadors Program」を通じて社会的弱者のデジタルデバイド(情報格差)に取り組んでいることや、アジア太平洋地域のインターネットガバナンスフォーラム(APrIGF)における取り組み等について紹介がありました。China Information Accessibility Public Service PlatformのChang Huang氏からは、中国政府による情報アクセシビリティ改善に向けた取り組みについて、これまでの経緯も含めて説明があり、「一帯一路プログラムを通じて、中国の情報アクセシビリティ技術や経験を他国に共有していきたい」旨の発言がありました。Shenzhen Accessibility Research AssociationのZhenyu Liang氏からは、2005年に設立されたアクセシビリティに関する最初の非政府組織(NGO)として、中国が抱える課題(アクセシビリティに関するガイドラインの欠如、企業内に専門部署がないことやそもそも企業側の関心がまだ薄いこと等)に言及しつつ、その取り組みについて紹介がありました。

(K・M)

(※Yahoo! JAPANが参加したその他の会合やワークショップの様子を含む後編については、後日掲載します。)

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