Yahoo! JAPAN 政策企画

ACCA Digital Thought Leaders Roundtableにパネリストとして出席

2017年6月22日、コートヤードマリオット東京ステーションにおいて、アジアクラウドコンピューティング協会(ACCA)主催「ACCA Digital Thought Leaders Roundtable: Accelerating Data Flow and Enabling Trade in the Digital Economy」が開催されました。今回、Yahoo! JAPANはこのラウンドテーブルにパネリストとして参加してきましたので、ご紹介します。

1. アジアクラウドコンピューティング協会(ACCA)とは?
ACCAとは、アジア太平洋地域におけるクラウドコンピューティングに関わる利害関係者を代表する業界団体で、2010年に設立されました。加盟企業としては、Amazon、Cisco、DELL、Google、HP、Microsoft、Salesforce、Verizon(アルファベット順)をはじめ、17企業が参加しています。ACCAの任務としては、クラウドコンピューティング製品やサービスのための信頼できる魅力的な環境や、安全かつ一貫した規制環境を創出する支援を行うことによって、アジアにおけるクラウドコンピューティングの活用を加速させることとしています。

なお、クラウドコンピューティングとは、コンピューティングサービス (サーバー、ストレージ、データベース、ネットワーク、ソフトウェア、分析等) をインターネット(クラウド)経由で配信することをいいます。詳しくはこちらもご覧ください。

2. 今回のラウンドテーブルについて
今回、Yahoo! JAPANは、「ACCA Digital Thought Leaders Roundtable: Accelerating Data Flow and Enabling Trade in the Digital Economy」というラウンドテーブルに参加しました。このラウンドテーブルは、近年世界的にますます注目を浴びている「デジタル経済」におけるデータの流通を加速し、貿易を拡大させるためにはどうすれば良いかを考えるもので、越境データ移転に関する日本の官民セクターの考え方や、日本や海外における規制環境や政策動向、フィンテック(Fintech)のような決済・金融サービスに関する官民セクターの取り組みについて話し合われました。ラウンドテーブルは、以下の三部構成となっていました。

Roundtable 1: Enablers and Opportunities of the Free Flow of Data in the Digital Economy

Roundtable 2: Recommendations to Overcome Blockers and Challenges in the Free Flow of Data

Roundtable 3: Financial Services and Payments – Enabling and Encouraging Innovation

当日のアジェンダについては、こちらをご覧下さい。

ヤフージャパンが登壇したラウンドテーブル2の様子をとらえた写真。モデレーターと3名のパネリストが写っている。

(Yahoo! JAPANも登壇したRoundtable 2の様子)

3. 登壇したラウンドテーブルの概要
Yahoo! JAPANは、上記2つ目のラウンドテーブル「Recommendations to Overcome Blockers and Challenges in the Free Flow of Data」にパネリストとして登壇しました。そこでは、ACCAのエグゼクティブ・ディレクターであるLim May-Ann氏がモデレーターを務め、個人情報保護委員会の小川久仁子参事官、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科の小尾敏夫教授もパネリストとして登壇しました。

Yahoo! JAPANからは、「Protecting Personal Data for Facilitating Data Flows: Yahoo! JAPAN’s Approach」をタイトルにプレゼンテーションを行いました。2016年6月にプライバシーポリシーを改定しプライバシーガイドを公開したことに触れながら、データの流通を促進するためには適切な個人情報の保護を行いユーザーの信頼を得る必要があること、そして、ユーザーの信頼や期待を裏切らないよう、ユーザーに対し個人情報の利活用の「コンテクスト」を理解してもらうことやユーザーに対する配慮をしっかりしていくことが大切であることを説明しました。

なお、小川参事官からは改正個人情報保護法とグローバル化への対応について、小尾教授からは中小企業による個人情報保護の取り組みや電子政府に関する取り組みの現状、2017年6月に韓国が5番目のエコノミーとして参加したアジア太平洋経済協力(APEC)の越境プライバシールール(CBPR)システムをはじめ、先進国や途上国、各国際機関における個人情報の保護に関する取組みの現状等について話がありました。

ヤフージャパンがプレゼンテーションを行っている様子をとらえた写真。

(Yahoo! JAPANがプレゼンテーションを行っている様子)

4. 結びにかえて
その他、Roundtable 1では、データが今や新たな「石油」または「通貨」と言われている中で、データやその流通を阻害する措置が及ぼすさまざまな経済効果、政府によるデータ流通の促進に向けた取り組みや民間企業による多様な事業展開について話があり、越境データ流通についてどのようなアプローチをとりたいかや、官民どちらがリーダーシップをとっていくべきかについて議論が行われました。

Roundtable 3では、経産省によるフィンテック(Fintech)に関する取り組みの紹介があり、民間企業としては、Visa Worldwide JapanからIoT決済に向けた努力や取り組み、PayPal Japanからは安全性と利便性のせめぎ合いの中でフィンテック(Fintech)に取り組んでいく旨の話がありました。

Yahoo! JAPANは今回のACCA主催ラウンドテーブルに参加し、改めてデジタル経済・貿易における越境データ流通の重要性と可能性を実感しました。誰もが自由に接続でき、意見や情報を発信・交換できるグローバルで共通な環境であるインターネットの恩恵を受けて、経済はますますグローバル化しています。今や世界中の人々がボーダレスなデジタル経済・貿易の重要性を認識しています。しかしそうしたデジタル経済・貿易が各国・地域のイノベーションや経済成長を促進するためには、データの流通、特に国境を越えたデータの流通が非常に重要となります。

一方で、政府や民間企業にとってデータは非常に重要な資源であり、今や世界ではどれだけデータを集め利活用するかという、いわば「データ覇権」を争う様相を呈しています。それゆえに、過度な国内規制や政策によってデータを囲い込もうとする、いわば「データ保護主義」のような動きが世界各国で見られるのも事実です。しかしこれまでの歴史を振り返れば、国内産業の保護のために保護主義的政策とれば、短期的にはその目的を達成できても、長期的にはむしろ国内産業の弱体化をもたらすことは明らかです。であるからこそ、重要なことは、「データの自由な流通を確保・維持するために、あるいはデータの自由な流通を確保・維持できるように、過度でない適切なデータの保護を行っていく」ことではないでしょうか。

Yahoo! JAPANは、今後も国内で開催される国際会議にも積極的に参画し、自社の立場を丁寧に説明していきたいと考えています。

※なお、今回のラウンドテーブルに関します成果文書については、ラウンドテーブル・ステートメントの(1)および(2)をご覧ください。

(K・M)

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