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国連インターネットガバナンスフォーラム(IGF)・マルチステークホルダー諮問グループ(MAG)第二回会合に出席

2017年6月12日から14日にかけて、スイス・ジュネーブの国際電気通信連合(ITU)本部において、国連インターネットガバナンスフォーラム(IGF)・マルチステークホルダー諮問グループ(MAG)第二回会合が開催されました。2017年3月に、筆者がこの国連IGFのMAGメンバーに選出されたことは既にこのブログでご紹介しましたが、今回、筆者が日本から唯一のMAGメンバーとして、国連IGF/MAG第二回会合に参加してきましたので、以下ご紹介します。

なお、国連IGF/MAG第二回会合のアジェンダについては、こちらをご覧ください。

1. 国連IGF/MAG第二回会合・結果概要
6月12日、国連IGF/MAG第二回会合の初日は、オープンコンサルテーションに割り当てられました。これは、本会合に参加しているさまざまな利害関係者・コミュニティーから意見を聞く場で、基本的には、MAG議長やIGF事務局等から、今年の国連IGF(スイス・ジュネーブにて開催)に関する進捗状況や会期間活動(intersessional activities)の進捗状況について報告を行い、一般参加者からの意見を聞くためのものでした。


オープンコンサルテーションの様子。前方のスクリーンには,2017年の国連インターネットガバナンスフォーラムのホームページが映っている。

(オープンコンサルテーションの様子)

6月13日(2日目)から14日(3日目)にかけて、本格的にMAGメンバー間での議論が行われました。議題は今年の国連IGFに関するもので、世界各国のさまざまな利害関係者から提出されたワークショップ提案書の最終審査、開会式や閉会式が行われる一番大きな会場で、通訳付で開催されるメインセッション提案書(MAGメンバーが提出)の審査、そして「国別・地域別イニシアチブ(NRIs)」と呼ばれる、各国・地域版のIGFに関するセッション開催の検討が行われました。

2日間の議論の結果、ワークショップ提案書の最終審査はいったん完了したものの、メインセッション提案書の審査とNRIs関連セッション開催の検討については結論が出ず、その後の電話会議(後述)に持ち越されることとなりました。


国連インターネットガバナンスフォーラムのマルチステークホルダー諮問グループ第二回会合にて,ヤフージャパンの社員が発言している様子をとらえた写真。

(国連IGF/MAG第二回会合で筆者が発言している様子)

2. 国連IGF/MAG第八回電話会議:結果概要
7月5日、国連IGF/MAG第二回会合のフォローアップを主な議題として、国連IGF/MAG第八回電話会議が開催されました。そこでは、積み残されていたNRIsに関するセッション開催の検討から開始し、引き続いてメインセッション提案書の審査が行われました。

激しい議論の末、メインセッションについては、①サイバーセキュリティー(3時間)、②ジェンダー(2時間)、③デジタル経済(3時間)、④技術に関する問題(3時間)の4つのテーマについて開催されることになり、これに加えて、NRIsに関するメインセッションと会期間活動の一つである「ダイナミックコアリッション(DCs)」に関するメインセッションも開催されることになりました。NRIsについては、国連IGF期間中に、別途6件の共同セッションも開催されることになりました。

3. むすびにかえて
今回の国連IGF/MAG第二回会合および第八回電話会議の詳細については、以下のプレゼンテーション資料の中でまとめてありますので、ご覧ください。

2017年国連インターネットガバナンスフォーラム(IGF)に向けた最新動向

国連IGFは、何らかの意思決定を行う場ではなく、政府・国際機関、民間セクター、技術コミュニティー、アカデミア、市民社会といったさまざまな利害関係者が一堂に会し、多岐にわたるインターネットの公共政策課題を議論することによって、政府や国際機関といった実際にルールを定める者、すなわち意思決定権者にインプットを行う場です。それゆえに、毎年の国連IGFでどのようなテーマを取り扱い、またどのようなセッションを開催するかは、国内外における将来のルールメイキングにつながりうるため、非常に重要になってきます。

また、そうしたプロセスを経て最終的に何らかのルールが形成されれば、たとえ法的拘束力を伴っていなかったとしても、各国・国際機関が何らかの措置をとる際の後ろ盾、いわば正当化事由となります。したがって、適切なルールが形成されるよう、国際的な政策的関心の醸成の場である国連IGFの段階からしっかりと対応していくことが非常に重要です。

であるからこそ、国連IGFのプログラムを決定する主体であるMAGメンバー間の議論は、それぞれの思惑が交錯し、非常に激しいものとなります。世界中から言語や文化の異なるメンバーが議論に参加する訳ですから、日本では考えられないような激しい議論が、しかも英語で行われる訳です。

こうした外交の最前線で、世界各国の利害関係者と外国語を駆使して正々堂々と自己主張していく力が、筆者も含め今の日本の全ての人に求められていると強く感じています。これは、本来的にグローバルでオープンなインターネットの公共政策課題を考えていくインターネットガバナンスの世界に限られたことではなく、ますますグローバル化する世界の中で、日本が激しい国際競争に打ち勝っていくために必要不可欠なことです。「機会があれば打って出る」姿勢を忘れてはいけませんし、「機会があれば打って出ていける」能力を日々磨くことを忘れてはいけません。

Yahoo! JAPANは、日本のインターネット企業として、国境を越えた表現活動や経済活動をより活発化することのできる、グローバルで共通な環境というインターネットの本質的価値を守るために、そしてより多くの人々や社会の課題を解決し新たな希望を作り出すために、今後もインターネット公共政策のあり方を考えていきます。


サン・ピエール大聖堂の展望台から見たレマン湖をとらえた写真。

(サン・ピエール大聖堂の展望台から見たレマン湖)


(K.M)

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