Yahoo! JAPAN 政策企画

「子どものための2030アジェンダ:ソリューションズ・サミット」に参加しました

2018年2月14-15日、スウェーデンの首都ストックホルムにて、「子どものための2030アジェンダ:ソリューションズ・サミット」が開催され、Yahoo! JAPANも参加してきましたのでご報告します。

この2日間にわたるサミットは、持続可能な開発目標(SDG)16.2「子どもに対する虐待、搾取、取引およびあらゆる形態の暴力および拷問を撲滅する」の達成を目指すもので、スウェーデン政府、「子どもに対する暴力撲滅のためのグローバル・パートナーシップ」および「オンラインの子どもの性的搾取撤廃のためのWePROTECTグローバル・アライアンス」により共催されました。Yahoo! JAPANは、子どもたちのインターネット利用について考える研究会(子どもネット研)などの活動を通じた、子どもたちに安全にインターネットを利用してもらうためのさまざまな啓発活動や、一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)を通じた、オンライン上の児童ポルノを含む違法・有害情報のプロバイダーへの削除要請等を実施していることもあり、日本の民間企業代表として参加しました。

2月14日、運河には氷が張りうっすらと雪が積もる寒い日でしたが、タンザニアやスリランカ、ペルーなど世界67カ国から、熱い気持ちを持つ代表たちがストックホルムに集まりました。スウェーデンのシルヴィア王妃のスピーチで開会したサミットには、ユニセフや国連などの国際機関や各国政府、非政府組織(NGO)などの市民社会や民間企業、子どもたちなどさまざまなステークホルダーが出席し、世界や各国における子どもに対する暴力の現状や、予防と対策などを発表しました。
サミットの様子。各国のリーダーが登壇し、発言した。
(サミットの様子。各国のリーダーが登壇し、発言した。)

ストックホルム市内の様子
(ストックホルム市内の様子)

発展途上国や紛争地域では、児童労働や人身売買、虐待など、より直接的に子どもの生命や身体を脅かす暴力が存在しています。一方、日本を含む先進諸国では、家庭での虐待などの直接的暴力もさることながら、近年、子ども達の間にインターネットやスマートフォンが急速に普及したことにより、子どもの性的画像の流出や、見知らぬ大人とのコミュニケーションから児童買春被害にあうなど、オンライン上での性被害の問題に関心が高まっています。そのため、6つのテーマに分かれたパラレルワークショップのテーマの1つに「デジタル時代の児童虐待」が選ばれ、Yahoo! JAPANはこのワークショップに参加して、どのようにオンライン上の児童ポルノを削除しているか、どういった課題に直面しているかなど、参加メンバーと意見交換をしました。

現在、世界では、5分間に1人の子どもが暴力の影響で命を落としており、毎年少なくとも10億人の子どもたちが、身体的、性的、または精神的な暴力を受けています。まだ赤ん坊である0~2歳の子どもさえも性的暴力の対象にされているのです。サミットでは、「2030年までに、深刻な状況にある子どもに対する暴力に終止符を打つ」という強い意思を持ったリーダーたちが集まり、その思いを新たにするとともに、今後もお互いの知見を共有し学び合いながら、各ステークホルダーが協力して目標達成のため努力することを確認しました。
日本政府は本サミットにおいて、①子どもに対する暴力撤廃のためのグローバル・パートナーシップのパスファインディング国に参加すること、②同パートナーシップの基金に600万ドルの資金拠出をおこなうこと、③同パートナーシップの理事会に日本の外務大臣が参加することの3つのコミットメントを表明し、会場からは拍手喝采が起こりました。

日本からの参加者と記念撮影
(日本からの参加者と記念撮影)

日本政府のコミットメントを発表した堀井学外務大臣政務官と記念撮影
(日本政府のコミットメントを発表した堀井学外務大臣政務官と記念撮影)

本サミットに参加して改めて認識したことのひとつが、子どもたちは未来を作る力であると同時に「現在」であるということです。彼らを守ることは未来への投資であると同時に、現在進行形で起こっている問題から救うことであり、即時の行動が求められます。また、こういった議論をしていると悲観的になりがちですが、客観的なデータを見れば、全体としての子どもへの暴力は数十年前やそれ以前と比較して減少傾向にあります。その要因としては、昔に比べて子どもの人権や体罰への問題意識が高まったこと、また、デジタル化により知見の共有や問題の発見が容易になったことなどが挙げられます。もちろん、デジタル化により新たな問題が生じていることは事実ですが、デジタル時代に生きる私たちだからこそ可能な対策もあるはずです。インターネットには、良い面と悪い面があり、悪い面が引き起こすリスクについては、Yahoo! JAPANをはじめ各ステークホルダーが正しい理解をもって対策を進める必要があります。ただ、インターネットがもたらす教育機会の充実や世界とのつながり、自己表現の場などは、未来を切り開く力になり得ます。

インターネット誕生から今までの約20年間におけるデジタル技術の発展がめざましかったように、2030年までに世界は大きく変わるでしょう。今の私たちにはまだ想像もつかないツールや技術が誕生し、人々の生活やコミュニケーションを一変させるかもしれません。どんな時代においても、自由や人権を尊重する価値観を持つことが、安全な生活を支える力になります。Yahoo! JAPANはこの姿勢を大切に、現在のインターネットが直面している問題の解決にあたるとともに、未来のインターネットがより良いものになるよう、挑戦を続けていきます。

子どもの代表としてスピーチをするタンザニアの学生(右)
(子どもの代表としてスピーチをするタンザニアの学生(右))

(A.N)

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